PCC暗殺の第一標的はガキヤ氏=2018年から脅迫続く=モロ氏暗殺の目的は?
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【既報関連】22日に行われた連邦警察の捜査で明らかになったセルジオ・モロ上議(ウニオン)らを狙った州都第一コマンド(PCC)の暗殺計画で、PCCが殺害の本命としていたのはサンパウロ州検察局の組織犯罪対策特別班(Gaeco)のリンコン・ガキヤ検察官であったことが、サンパウロ州の情報機関が集めた情報で明らかになっている。22日付フォーリャ紙(1)が報じている。
同紙によると、ガキヤ氏は2018年からずっと、PCCの「暗殺候補リスト」の第1位に置かれているという。同氏はこの年にGaecoのトップに就任したが、PCCを扱う検察官としての活動は2005年から続いており、目の上のコブになっていたようだ。
そのことはサンパウロ州情報機関が集めたPCC関係者のメッセージなどからもうかがわれる。2018年12月にサンパウロ州プレジデンテ・ヴァンセスラウ第2刑務所を出所したPCCの女性構成員2人が持っていた手紙には、同刑務所の責任者のロベルト・メジーナ氏やガキヤ氏を暗殺計画リストのトップに置いていた。ヴァンセスラウ刑務所には当時、PCCのリーダー格が収監されていた。
また、PCCのリーダーたちがブラジリアの連邦刑務所に移された後の2020年も、同様の内容のメッセージが情報機関によって確認されている。そのうちの一つはサンパウロ州ミランドーポリスの刑務所で見つかったもので、「ガキヤ氏とメジーナ氏を殺害せよ」と書かれていた。
情報局によると、ガキヤ氏以前は、2009〜12年にサンパウロ州保安局長を務めたアントニオ・フェレイラ・ピント氏が常に暗殺リストの1位だったが、18年にガキヤ氏とメジーナ氏が抜いたという。
UOLサイト(2)によると、ガキヤ氏は何年も前から脅迫を受けており、PCCから命を狙われているという恐怖感のために、「旅行もできなければバーやレストランにも行くこともできず、ほとんどを家で過ごす」毎日を過ごしていると、メディアへのインタビューで告白している。
連邦警察によると、セルジオ・モロ氏の命が狙われた理由は今ひとつ不明瞭で、さらに調べる必要があるという。情報局の情報によると、少なくとも2022年12月までは、モロ氏の名前はPCCの暗殺リストに浮上していなかったという。
モロ氏は法相だった2019年2月にPCCのリーダーたちの連邦刑務所への移管に関わったとされているが、ガキヤ氏は昨年受けたフォーリャ紙の取材でそのことに触れ、「モロ氏はその件には関与していない」と否定していた。
だが、22日夜放送のグローボ局のニュース「ジョルナル・ナシオナル」(3)では、PCCは今年の1月27日以降、モロ氏や同氏の家族に対するスパイ行為をはじめていたと報じられている。