大統領の右腕、宝飾品の奪回を命令か=G1が税関映像を公開=前大統領贈答品リストも
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【既報関連】2021年10月26日、サウジアラビア政府からミッシェリ大統領夫人向けの1650万レアル相当の贈答品が違法な形で持ち込まれたため、グアルーリョス国際空港の税関で没収された。これに関して、前大統領自身が連邦税務局に圧力をかけて自身のものにしようとしていた疑惑が強まっている 。
8日、グローボ局は同局サイト(1)で、ボルソナロ前大統領の関係者が昨年12月29日に、サウジアラビア政府からの贈り物の一つでミシェレ夫人宛とされる宝石箱を保管しているグアルーリョス空港の税関で、贈り物を解放するよう強く迫っている姿を映した監視カメラの映像を公開した。
税関の責任者と交渉に当たったのは海軍のジャイロ・モレイロ・ダ・シルヴァ軍曹で、交渉中、前大統領の右腕として知られたマウロ・シジ氏と携帯電話で話し、担当者にもつなげようとしたが、担当者が「それはできない」と断った。
するとジャイロ氏は「緊急なんだ」「大統領の任期が終わるまでに必要なんだ」「解放に必要な書類も準備中だ」と担当者に必死に食い下がった。
ボルソナロ氏はスキャンダル発覚直後、贈り物に関して「見たことも、得ることを頼みもしていない」と発言していた。
さらに9日付G1サイト(2)では、国税庁のジュリオ・セーザル・ヴィエイラ・ゴメス長官も同じく昨年12月29日に、グアルーリョスの税関に対し、贈り物を解放するよう、圧力をかけていたことが明らかにされた。同長官もこのときにマウロ・シジ氏の命令であることをほのめかしている。
加えて同日付エスタード紙(3)によると、同じく昨年12月29日に、その1カ月前にボルソナロ前大統領に手渡されたサウジからのもうひとつの贈り物である、時計や万年筆などの入った箱が「私的保管物」として登録されていた。空港で押収された贈り物を取り戻そうとする最後の試みが起きたのは前大統領夫妻が米国フロリダ州に渡航する前日のことで、それまでに宝石箱を取り戻し、私的保管物として手元に置きたかったのではないかと予測している。
その「大統領の私的保管物」に関し、9日付フォーリャ紙(4)はボルソナロ氏が大統領任期の4年間で保管した贈呈物には時計44個、ナイフ74丁、ネックレス54個、ネクタイ112本、帽子618個、サッカーのシャツ448着、245個のマスクがあると報じた。9日、国立会計検査院(TCU)はボルソナロ氏に対し、サウジアラビアから持ち込まれた宝石類の使用や転売を禁止する命令を出している。
他方、上院の透明性委員会はサウジアラビアからの贈り物が賄賂ではないかを調べる意向であることを明らかにしている。オマル・アジス委員長(社会民主党・PSD)は、「大統領夫人に1600万レアルもするプレゼントを贈る話など、聞いたことがない」と語っている。