連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第131話

・九月二十六日(日) 宮崎県人会でははじめて青年部(甲藤パトリシア会長)主催でイツーのファゼンダにピクニックを行い、雨の土道でバスが動けなくなって大変だった。
・十月三十一日 ブラジルの大統領選挙は決選投票でブラジル初の女性大統領が誕生した。ジルマ・ロセフが五六%セーラが四四%であった。
・十一月六日(土)  己知治(十二月二十三日で六十九才)のアルコール依存症がかなり悪化している。彼自身の意志ではコントロールできなくなり、急に老け込んで、今の状態ではもう死を待つばかりと本人も自覚している様な事を口に出すし、周囲の家族が心配しだして、何とかそれを直す施設に入れる様に現在調査中である。サンロッケのマイラスキのクリニカ・レクペラソンの施設は、六ヶ月間の入院で九千レアイスで大体治るそうだ。でも本人がその気にならないと話は始まらない。
・十二月十九日(日) さすがに十二月になると呑んだり食べたりの機会が多くなった。忘年会だけで八回。公式、非公式の招待など、本当に祭り事の月とも言える。という事は、それだけに私達は交際が広いとか、多いとか言える訳であろう。もちろん、車は一日として、休むことはない。毎日外出だ。金は節約すれば何とか間に合うけど、体力もないとこの付き合いは出来ない。今年は一番に健康管理を重要課題として取り組んできたけど、まだ中途半端である。眼は白内障ではなく、筋無力症と言う病気で同じものを長く見ていると段々と眼が弱って来るそうだ。これはメガネでコントロールする以外方法がないとか。白内障は手術で治るけど、私の場合、ボヤケもこれ以上よくならない。ただ焦点だけはメガネでコントロール出来るそうだ。前立腺のラジオテラピ治療後の経過は良好でPSAの数値も段々下がり、あと五年間は三ケ月毎の血液検査が必要だとのことである。胸、肩の痛みも中々取れないけど、いつの日か治る日も来るだろう。

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