国内総生産=第3四半期は0・4%成長=工業やサービス業が牽引=農牧業の減産で低空飛行

地理統計院(IBGE)が1日、第3四半期の国内総生産(GDP)は前期比で0・4%増の2兆5440億レアルとなったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
第3四半期のGDPは昨年同期比で3・6%、12カ月(4四半期)間の累積では3%成長した。今年の3四半期の累積では3・2%増だ。
ブラジルのGDPは新型コロナのパンデミックが始まった2020年の第1、第2四半期に大きく落ち込んだ後、急速な回復を見せた。
また、2021年も新型コロナの感染第2波の影響を受けた第2四半期に0・3%減を記録した後は再び成長に転じ、今年の第1四半期には前期比で1・3%増を記録した。だが、第2四半期は1%増、第3四半期は0・4%増と成長が減速している。
第3四半期の動きを部門別に見ると、サービス業が1・1%、工業が0・8%、家計消費が1%、政府支出が1・3%、投資が2・8%、輸出が3・6%、輸入が5・8%の増加を記録したが、農業が0・9%減となり、全体で0・4%増にとどまった。
第3四半期の成長減速の理由の一つは、第1~第2四半期に起きたアウシリオ・ブラジル(生活扶助)増額や勤続期間保障基金(FGTS)の引き出し認可、国立社会保障院(INSS)による13カ月給の前倒し支給の効果が続かなかった事だ。
この事は、連邦政府による所得転移の多くは、高インフレによる購買力低下や負債を抱える家庭の増加などにより、食料品や飲料、保健・介護といった生活必需の項目に使われた事も示す。
経済基本金利(Selic)の高止まりやや世界的なインフレ傾向とそれを抑制するための対策、中国の経済活動低下なども直接、間接の影響を与えているし、従来から言われてきた生産性の低さや投資の低さ、教育不足という、経済のより強力な成功を妨げる要因も継続している。
第4四半期は13カ月給による経済効果が期待される時期だが、これらの要因から、第4四半期から来年にかけての成長はより小幅になると見る専門家も出ている。この事は、経済成長が新政権にとっても大きな課題となり得る事を示している。