秋の叙勲、ブラジルから7人が受章=日系社会、日伯交流への貢献称え

 日本政府は令和4年秋の叙勲受章者を3日、発表した。ブラジルからは、サンパウロ、クリチバ、マナウス、リオ・デ・ジャネイロ、レシフェの5管内から、外国人叙勲者4人、邦人叙勲者3人の計7人が受章した。叙勲者の経歴は次の通り(敬称略)。

立花俊一

 立花俊一(77歳)=旭日小綬賞=サンパウロ州サンパウロ市在住。元サンパウロ大学理工学部准教授。JICAサンパウロ帰国研修員同窓会(ABJICA)元会長。サンパウロ大学教授として、横浜国立大学との大学間交流協定及び学生交流協定締結に取り組むなど日伯間の学術交流に大きな貢献を果たした。ABJICA設立メンバーでもあり、両国友好関係の基盤拡大及び強化にも尽力した。

錦戸健

 錦戸健(71歳)=旭日双光章=アマゾナス州マナウス市在住。西部アマゾン日伯協会元会長。同協会の会長を同会最長任期記録となる7期14年に亘って務め、西部アマゾン地域の日系社会の発展と融和に尽力した。西部アマゾン日伯協会日本語学校の日本語教師を1986年から現在まで務め、マナウスにおける日本語の普及にも貢献した。

 

 

 

クララ・フミコ・シラヤナギ・ドス・サントス

 クララ・フミコ・シラヤナギ・ドス・サントス(73歳)=旭日双光章=アマゾン州マナウス市在住。西部アマゾン日伯協会診療所元医師。在マナウス日本国総領事館顧問医師。長年の間マナウスの日系社会に寄り添い、日系社会の健康増進及び福祉向上に大きく貢献した。西部アマゾン地域日系社会巡回診療事業の医師も務め、アマゾナス州やロライマ州の各都市に居住する日本人の診療にも従事した。

ミノル・マツウラ

 ミノル・マツウラ(77歳)=旭日双光章=リオ・デ・ジャネイロ州リオ・デ・ジャネイロ市在住。リオ・デ・ジャネイロ州日伯文化体育連盟理事長。リオ・デ・ジャネイロ日系協会元会長。2018年に催されたリオ・デ・ジャネイロ日本人ブラジル移住110周年記念事業を同協会会長として成功に導いた。現在、リオ・デ・ジャネイロ州の約20の日系団体を統括する団体の理事長として、同州における日系社会の活性化や日伯両国間の文化交流、友好親善の増進等に大きく貢献している。

 

イワタ・ケンイチ

 イワタ・ケンイチ(71歳)=旭日双光章=ペルナンブコ州レシフェ市在住。タマゴ社社長。レシフェ日本文化協会元会長。同協会会長時代に同協会会館建設に尽力し、2005年10月、1万3000平方メートルの敷地に延べ床面積1万700平方メートルの会館を建設した。同会館は盆踊り会場などとしても活用され、日系人のみならず地元伯人にも親しまれ、同地における日本文化紹介の拠点的役割を担っている。

丹俊彦

 丹俊彦(たん・としひこ、92歳)=旭日双光章=パラナ州ロンドリーナ市在住。ロンドリーナ文化体育協会元会長。ロンドリーナ西宮交流協会元会長。パラナ日伯元留学生協会ロンドリーナ元支部長。ロンドリーナ文化体育協会の創立において中心的な役割を果たし、日本祭りなどの文化イベントの運営、協会におけるスポーツ及び文化活動の発展に務めた。地域における日本文化の継承・普及に貢献した。
 西宮市とロンドリーナ市の姉妹都市提携に尽力し、両都市交流の促進及び友好親善に貢献した。パラナ日伯元留学生協会ロンドリーナ支部長として16年間に亘り、日本留学に関する情報提供及び交流促進を行い、日伯関係の発展に尽力した。

カズミ・ネモト

 カズミ・ネモト(77歳)=旭日単光章=パラナ州フォス・ド・イグアス市在住。フォス・ド・イグアス日伯文化体育協会元会長。1987年にフォス・ド・イグアス日伯文化体育協会を設立し、初代会長を務めた。日本食販売会などを通じて資金を獲得し、会館や野球場を建設。ブラジルにおける日本食文化の普及や日系社会の活性化に大きく貢献した。同協会文化部長も32年間に亘って務め、日本語学習やスポーツ活動の促進、様々な日本文化イベントの実施に尽力し、日本文化の普及及び日系社会の発展に貢献した。
 スペイン語、ポルトガル語、日本語の3カ国語に精通していることから、日本政府や企業関係者らが同市を訪問する際には通訳兼案内役として積極的に協力し、日伯間の友好親善に貢献した。

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