《ブラジル》一段と破壊が進むアマゾン=8月の火災件数過去が最悪=9月は3日間で昨年同月の半分

8月の森林火災の推移(2日付コレイオ・ブラジエレンセの記事の一部)

 【既報関連】5日は「アマゾンの日」――法定アマゾンの重要性や保護の必要などを説く人も多いが、現政権の環境政策は理想から程遠く、選挙年でもある事で、破壊が一層進んでいると報じられている。
 選挙年の森林伐採増加は以前から言われているが、ボルソナロ政権では森林伐採や森林火災が増え、国際的な問題となっている。連邦政府による公式データ発表はまだだが、2021年8月~今年7月の森林伐採は1万平方キロを超える事は何度も報じられている。
 それに加えて報じられているのは森林火災の増加だ。国立宇宙研究所(Inpe)がとらえている法定アマゾンの火災件数は6~10月に増える。今年の8月は3万3116件の火災が起き、4万5千件だった2010年8月以来の火災月となった。8月の平均火災件数は2万6千件だが、現政権では4年間、2万8千件以上の火災が起きている。
 特に増えたのは8月後半で、22日には、パラー州で大規模な焼き畑などが起きた2019年8月10日の「火災の日」の2475件(パラー州だけで1173件)を大幅に上回る3358件の火災が発生。
 24時間での火災最多は2007年9月29日の6738件以下、2004~7年の9月の日付が並ぶが、8月22日の数字は2003年9月14日の3405件に次ぐ27番目で、8月としては過去最多だ。

燃え盛るアマゾンの森(8月30日、NILMAR LAGE/GREENPEACE/DIVULGAÇÃO)

 1~7月の火災は1万3千件超。昨年同期比で14%増えた事や、1~6月の森林焼失面積7625平方キロは昨年同期比で53%増という8月1日付現地サイトの報道も、今年の森林火災増加傾向を示している。
 9月1~3日の火災は8740件で昨年9月の1万6742件の半数以上、4日も3393カ所で火災との4~5日付現地サイトの報道も、増加傾向継続を示す。
 森林火災増加は、気候変動故の少雨・干ばつや気温上昇で火災が起き易い事、伐採後の土地を農牧用地とするための放火や農牧地の地力回復のための焼き畑などの要因が重なって起こる。
 現政権が森林開発や先住民の土地での鉱物採掘を容認している事や森林伐採や火災の増加で国際的な支援が途絶えた事による、環境監査機関の資金や人員の不足と監視活動の低減という悪循環も否定できない。

★2022年8月19日《ブラジル》法定アマゾン=伐採面積は1万平方キロ超=Imazonの調査で判明=15年間で最大の数字に
★2022年7月6日《ブラジル》法定アマゾン=森林火災は15年間で最多=セラードやパンタナルでも=現政権での増加傾向続く
★2022年6月4日《ブラジル》アマゾン火災は5月に2287件と激増=昨年同月比で96%アップ

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