《ブラジル》ボルソナロがコロナ禍文化支援を先延ばし=7月に廃案試みた因縁も

法案成立時の下院(Jefferson Rudy/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領は29日、コロナ禍に伴う二つの文化支援策「パウロ・グスターヴォ法」と「アルジール・ブランク法」の施行を、各々、2023年と2024年に先延ばしすることを発表した。29日付現地サイトが報じている。
 施行延期は大統領が29日に出した暫定令(MP)によって発表された。二つの法案は共に、コロナ禍で亡くなった人物にちなんだものだ。パウロ・グスターヴォは近年の映画の興行記録を塗り替えていた人気コメディアンで、アルジール・ブランクはブラジルを代表する作詞家だった。
 まず、パウロ・グスターヴォ法は2020年からのパンデミックの期間中に行うことができなかった文化事業の補填を州や市に対して支払うもので、予算は38億レアルだ。これは官報掲載から90日以内、つまり2022年中に施行される予定だったが、「財政難」を理由に2023年に先延ばしされた。
 アルジール・ブランク法は5年間限定で、文化事業のコロナ禍からの復活を促進する目的で、州や市に対し毎年30億レアルを支払うものだ。これも施行が2024年からに先延ばしされた。
 ボルソナロ大統領はかねてからこの2法案には消極的で、7月には連邦議会承認後の裁可の段階で拒否権を行使したが、議会側が再度覆して成立し、施行が待たれていた。
 この背景には、ボルソナロ氏と文化・芸能界の人たちとの長年の対立関係がある。芸能界は左派が圧倒的に多いため、極右のボルソナロ氏を嫌い、舞台挨拶やコンサートなどで同氏を痛烈に批判することが相次いでいる。
 ボルソナロ政権下では文化省が廃止され、現在は市民省傘下に置かれている。そこでも90年代からの文化支援基金で、年間12億レアルが動いていたルアネー法がかねてから保守派の槍玉にあげられており、同法適用の承認基準や、支払い対象となる人たちとその金額に制限が加えられたりしている。

最新記事