《ブラジル》貿易収支=5月の黒字49・43億ドル=昨年同月比で44・7%減

経済省通商局(Secex)が5月の貿易収支黒字額は49・43億ドルで、昨年同月を44・7%下回ったと発表したと13日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
これにより、1~5月の貿易収支黒字額は昨年同期比で6・4%減となる251・28億ドルとなった。
5月の輸出額は昨年同月比で8%増の296・47億ドル、輸入は同33・5%増の247・04億ドル、貿易フロー(輸出プラス輸入)は543・51億ドルだった。
1~5月の輸出額は昨年同期比で20・3%増の1310・86億ドル、輸入額は昨年同期比で29%増の1059・57億ドル、貿易フローは24%増の2370・44億ドルとなった。
5月の輸出は、農産物が昨年同月比で0・22%、工業製品が19・44%伸びたが、鉱物は4・48%減少した。
輸入は、農産物が14・46%、鉱物が74・81%、工業製品が31・96%増えている。
5月の輸出額、輸入額、貿易フローはいずれも、1997年の統計開始以来の最高額を更新した。
Secexによると、5月および1~5月の貿易額の増加は、商品価格の上昇を反映しているという。特に目立つのは燃料の輸入価格で、5月は昨年同月比で100%増を記録した。
また、5月の輸出量減少は収量減による大豆の輸出減が響いた。また、コロナ禍で起きた中国経済の低迷で、鉄鉱石や石油の輸出量も落ちたという。
Secexは4月、今年の輸出は3488億ドル、輸入は2372億ドルで、貿易収支は1116億ドルの黒字との予想を発表している。この通りなら、貿易フローは5860億ドルとなる。
ただし、来月発表予定の推定額は、輸入が増え、黒字が減る見込みだという。
なお、主要輸出国である中国と香港、マカオへの1営業日あたりの輸出額は昨年同月比で11・9%減少。これを受け、アジア地域への輸出額も11・4%減となった。
同様の基準で比較した輸出額は、北米向けが11・41%、南米向けが24・35%、欧州向けが26・45%増えている。
ただし、1~5月の実績では、中国向けは1・37%、アジア向けも6・53%増えている。北米向けは25・52%、南米向けは34・20%、欧州向けは30・74%増加した。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響はさほどでもないが、それでも欧州向けの輸出は原油を中心に増加傾向にあるという。また、食糧や燃料を中心とする価格上昇は世界規模で起きている事も認めた。また、ブラジル企業は肥料を前倒しで購入しているという。