《ブラジル》危機の中のイースターエッグ=お手頃価格の目玉焼き型

市場に定着し、生き残るためには創造性が不可欠―。様々な意味の経済危機に直面しているブラジルだが、創造性を駆使して危機を乗り越えようとして、手頃な価格で購入できる目玉焼き型のイースターエッグを売り出している女性がいる。
6日付G1サイトなどによると、ロライマ州ボア・ヴィスタ市で注文に応じて洋菓子を作り、販売しているグラジイ・マイア氏(31)は、パスコア(復活祭、イースター)の時期特有のチョコ製卵にも一工夫を凝らし、目玉焼きの形のイースターエッグを売り出して好評を得ている。
伝統的な卵形のイースターエッグが値上がりし続けている中、高価な卵は買えないとこぼしている人が多いに気づいて作ったという目玉焼きの形のイースターエッグは、黄身に見立てた部分にベイジーニョ、ブリガデイロ、ドッセ・デ・レイテと呼ばれる三つの味の中身がつめてある。
この商品は8個1組で売っているが、個別包装なので、パックで買って、家族や友人同士で分けても楽しい。
目玉焼き型のイースターエッグを売り出したのは2019年のパスコアで、19、20の2年間は約500個ずつ売れたという。
マイア氏は、今年はパスコア(17日)の2日前からこのイースターエッグを売り出すと案内している。だが、新型コロナのパンデミックで生じた外出規制などが緩和され、人の動きが戻ってきている事や、インフレが高進して、スーパーなどで売られているチョコ製卵が例年以上に値上がりしている。
そのために、目玉焼き型のイースターエッグに関心を示す人が増えている事などから、これまで以上の売上があると期待している。
マイア氏は財政が厳しいとこぼす人が増えた19年に、「今年はイースターエッグが買えないと思っていませんか? それなら目玉焼きはいかがです?」と呼びかけるカードを作ったという。このアイデアはあたり、社員や子供達にとまとめて注文する人も現れたため、本格的に目玉焼き型のイースターエッグを作り始めたという。
マイア氏は、単純な品でも、愛する人を喜ばせたいと思う心があれば、贈る側も贈られる側も喜びを分かち合えると信じ、誰にでも手が届く価格の商品を届け続けようとしている。