炎に包まれたまま歩き続ける=サンパウロ市地下鉄で男性が焼身自殺

男性が焼身自殺を図った瞬間(Foto: Reprodução)
男性が焼身自殺を図った瞬間(Foto: Reprodução)

 サンパウロ市地下鉄1号線サンベント駅構内で5月30日、自らの体に火を放った74歳の男性が、重度の火傷により同日夜に死亡した。警察によれば、男性は路上生活者とみられ、可燃性液体を飲用した上で、全身にかけて着火して焼身自殺を図ったとされる。2日付フォーリャ紙など(1)(2(3)が報じた。
 男性は同日朝、駅のホームで自身に液体をかけ、直ちに火を放った。現場に居合わせた通行人の証言によれば、一連の行為は極めて迅速で、男性の体は瞬く間に炎に包まれたという。
 通行人によって撮影された映像には、炎に包まれたまま立って歩き続ける男性の姿が映し出されており、その傍らの床面では、男性の所持品とみられる物体も燃えている様子が確認できる。炎は駅のホームの天井にまで達していたという。
 駅の警備員が直ちに消火器を使用して対応したが、火は完全に鎮火するまで約20秒を要した。男性の全身を覆う炎を消し止めるため、少なくとも5本の消火器が使用されたとされる。
 発生直後、現場は一時的にパニック状態となったものの、男性以外に負傷者は出ていない。
 現場対応にあたった警備員によれば、男性は救助活動の全過程において終始沈黙していたという。男性は病院に緊急搬送されたが、同日20時頃に死亡した。身元は公表されていない。
 警察は、男性が自らの体に火を放った動機については明らかにしておらず、サンパウロ州保安局は「事案の性質に鑑み、詳細は差し控える」との声明を発表した。

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