サンパウロ州とリオ州で豪雨被害=2市で非常事態宣言も

気候変動や地球温暖化により自然災害がより頻繁かつ甚大になるとの説を実証するかの如く、4日以降、南東部を中心に月間平均降水量を上回るほどの強い雨が降り、非常事態を宣言する市も出た。(1)

サンパウロ州では4日の時点で24時間の降水量が50ミリを超える市が続出。サンパウロ市やモジ・ダス・クルーゼスなど広範囲で洪水が起きた他、ソロカバやジャカレイーでは塀が倒れて車を直撃、グアルーリョスでは民家8軒が地滑りに見舞われるなどの報告が続いた。
洪水や地滑りはABC地区や海岸部でも相次ぎ、4~5日の24時間で138ミリの雨を記録したウバツーバでは、防災局が高速道封鎖や孤立化した住民を避難所に移すなどの作業を実施。雨はその後も続き、24時間の降水量は一時160ミリに達したが、6日には住民も帰宅し始めた。海岸部に向かう高速道封鎖はタモイオス道などでも起きた。(2)(3)(4)
リオ州防災局は4日朝、全州で地滑りなどが発生する可能性があると警告。コスタ・ヴェルデと呼ばれる海岸部のアングラ・ドス・レイスではこの時点で24時間の雨が99ミリに達していたし、リオ市でも複数の地区で強い雨が記録されていた。防災局は全州が48時間以内に暴風雨に見舞われる可能性を示唆し、山間部と海岸部を中心とする92市に警戒態勢を敷くよう、指示を出した。(5)(6)(7)
予想通り、アングラ・ドス・レイスを中心とする海岸部とペトロポリスを含む山間部では大きな被害が出、アングラとペトロポリスは非常事態を宣言。連邦政府の認定も受けた。
アングラでは5日朝、4~5日の24時間に270ミリの雨が降り、月間平均降水量の170ミリを超えたと報じられた。雨はその後も続き、5日夕方には24時間の雨量は325ミリ、48時間では357ミリと報じられた。同市では川の氾濫や洪水、地滑りなどが続き、市内に設けられた避難所に331人が退避。被害拡大の可能性もあり、市役所が非常事態を宣言。連邦政府も6日に非常事態を認定した。クラウジオ・フェレッチ同市市長は6日朝、現地視察のために訪れた国家防災局のウォルネイ・ウォルフ局長に、学校の活動を妨げずに被災者を収容できる可逆的なコミュニティシェルター建設のための支援などを要請した。(8)(9)(10)(11)(12)
ペトロポリスも状況は似ており、サンセバスチアン地区では月間平均降水量の1・5カ月分に当たる301ミリの雨が降るなど、市単独では対応しきれないと判断。5日に非常事態を宣言し、連邦政府の認定を受けた。国家防災局と同市防災局による現地視察は7日に行われた。(13)(14)
リオ州防災局は4日以降、7日朝までに568件の緊急通報に対応した。同州での雨は6日から下火になったが、大量の雨で地盤が緩んでいるため、わずかな雨でも洪水や地滑りが起きる可能性があり、警戒態勢が続いている。(15)(16)
週末の雨はエスピリトサント州やミナス州でも洪水その他の被害をもたらした。エスピリトサント州ヴィトリア市では7日6時、24時間の雨が194ミリに達した地区があったとの報告がなされたが、非常事態宣言は出ていない。(17)(18)(19)