押し花教室「押し花アート」(巽ミリアン代表)による『第18回押し花アート展覧会』が、8日から17日まで「日本」をテーマに聖市リベルダーデ区のレバノン聖母教会の貴賓室で開催された。大型の額が多い巽代表の作品が100点、生徒の作品も100点展示され、華やかな雰囲気を演出していた。宮崎アニメのキャラクター「トトロ」を描いた押し花もあり、風景などを描いた伝統的なものから、ポップな作品まで幅広い作風が見られた。
同教室で5年間学んでいる峯ソフィアさん(72歳、2世)は「押し花は本物。絵でも、写真でもなく、本物をリアルな色と質感を活かしたまま使うアートなんです」と説明した。「一番きれいな状態の時に乾燥させないと、良い色が残らない。毎日乾燥シートを取り替えて2週間ぐらいかかります。一旦、完成したらその発色のまま何十年も保ちます」という。全て巽代表が日本で学んできた技術だ。
「結婚式のブーケを、そのまま押し花にしてほしいという依頼も来ます。全部の花びらを分解して、一枚一枚乾燥させ、最後に元の状態に見えるように組み戻すのですごい手間がかかります。でも本物なので一生ものです」とのこと。
巽代表(67歳、2世)は今年4月に日本最大級の展覧会「花と緑で楽しむアートクラフト展 in 東京2024」に出展参加した際、世界押花芸術協会から国際インストラクターとして認定されたという。
一昨年と昨年に文協美術工芸展で1位となった実績も持つ。パンデミック前、生徒は100人もいたが現在は40人ほど。巽代表は日本で資格を取得してきただけに日本語も堪能で、駐在員夫人も大歓迎だという。
巽さんは「一口に乾燥させると言っても、植物によって乾燥させ方が異なる。1週間で20日間かかるものまで。3時間以内に花びらを組み立てて直し空気を抜かないと湿気が入ってカビやすくなる」などの気を使う作業が必要だという。
来場者のベネジッタ・トーレス・ホドリゲスさん(76歳)は「毎年展覧会に来てるわ。葉っぱや花びらを乾燥させるには繊細さと献身、忍耐が必要。日本文化の粋、とても価値ある作品群だと思う」とコメントした。
押し花教室の詳細はサイト(https://www.oshibana.com.br/)、フェイスブック(@OshibanaArtBR)、インスタグラム(@oshibana.art_mirian)などで確認できる。