《記者コラム》「三重の文化交流に尽力したい」=日本館副館長の相良さん

ブラジル三重県人文化援護協会が10月27日にサンパウロ市の同協会会館で「うどん会&伊勢うどん試食」を開催した。イベントに参加した相良クリスチーナ泉さん(56歳・2世)は通訳士でイビラプエラ日本館副館長を務める人物。1997年から2000年までの3年間、日本政府の行う「JETプログラム」で三重県にブラジル人初となる国際交流員として招致された経歴を持つ。
相良さんはJETプログラムで三重県国際交流財団と県庁国際課で活動した。三重県にはデカセギブラジル人が多く、地元民との溝を埋める活動に従事した。3カ月に1度刊行される地元機関誌にブラジル人や在日外国人に向けた日本文化やルールを知ってもらう記事などを掲載し、伊勢神宮やおはらい町ガイドのポルトガル語翻訳もした。公民館では地元学校教師らに、ブラジルの教育制度や文化など日本との違いを講演。関係機関に「外国人がみんな英語を話すわけではない」と繰り返し訴えると、県庁や公民館にはローマ字表記の案内が導入されたという。
相良さんは「JETプログラムの経験があったから今の自分があると本当に感謝しています。これからも三重とブラジル、そして日伯交流が活発になるように尽力したいです。若い世代にはぜひ留学や研修プログラムを活用して、日本を体験してほしいです。日本での体験をブラジルに持ち帰ってもらい、より交流が盛んになることを願っています」と語った。
高齢化が進む日系社会だが、JETプログラムなどの交流事業で日本を体験した若い世代が増え、国内外への情報発信が増えれば、日系社会はより活性化するかもしれない。(淀)