市川氏らの日伯貢献を称え=在サンパウロ総領事館外務大臣表彰式

【既報関連】在サンパウロ総領事館(清水享総領事)は8~9日、同館管轄内の令和6年度日本国外務大臣表彰者に対する表彰式をサンパウロ市の総領事公邸で行った。9日の表彰式では市川利雄、生駒憲二郎、岡本ルイス正雄、園田昭憲各氏に対する表彰が行われた。
9日の表彰式では清水総領事が表彰状を4人に授与した後、4人の功績を紹介。受彰者らによる挨拶の後、記念撮影を行い、懇親会へと移った。
市川氏はブラジル富山県人会、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)で会長を務め、日伯間の文化交流を促進。県連会長時代にはコロナ禍により休止していた世界最大級の日本文化イベント「県連日本祭り」の再開に尽力した。日本祭りに関するノウハウを中南米日系社会に共有し、広く日系社会の活性化にも貢献した。市川氏は「表彰されたことを光栄に思います」と喜びを語った。
生駒氏は日本最後の移民船『にっぽん丸』(1973年)でブラジルに移住。土本真澄氏の下で芸術を学び、陶芸の道に進むことを決意。材料や設備、模範とする陶芸家もいない環境の中で、独学で制作を続け、1982年にブラジルで初となる穴窯を自らの手で建設。陶芸家たちの交流の場となる「ブラジル現代陶芸(CCBRas)」も立ち上げた。ブラジル日本文化福祉協会(文協)の活動に約20年間携わり、同協会美術委員長も務めた。現在はアトリエ兼教室で作陶とワークショップも行っている。表彰に対し「身に余る光栄であります」と語った。
岡本氏は知的障害者施設「こどものその」の理事長を務めた人物。同団体運営を通じ、日系社会の福祉向上に貢献。運営費の柱である寄付収入の増加や、施設改修工事の実現などで入居者の生活環境改善に尽力した。受彰挨拶では2008年の創立50周年記念式典の様子などを振り返り、受彰の喜びを語った。
園田氏はブラジル鹿児島県人会や県連で会長を務め、現在はサンパウロ日伯援護協会で副会長を務めるなど当地日系社会の活動に尽力。2013年のブラジル日本戦後移住60周年記念祭にも携わり、同祭の成功に貢献した。挨拶では表彰を感謝するとともに「後進を励ます意味で表彰を受けることにしました」と語った。
令和6年度日本国外務大臣表彰ではブラジル全体で19人、3団体が表彰されている。今回の表彰式参加者を除く受彰者は次の通り。(敬称略)
ヴィトル・リッビ連邦下院議員、アマゾナス柔道連盟、北東伯元日本人留学生及び研修生の会、松田四郎元松田移民館協会会長、エドゥアルド・エウジェニオ・ゴウヴェア・ヴィエイラ・リオ・デ・ジャネイロ州工業連盟会頭、サトミ・オオイシ・アズマ南パラナ日本語教育センター長、ジョルジ・イシイ元クリチバ日伯文化援護協会会長、小長野道則元トメアス総合農業協同組合理事長、坂口渡フランシスコ元トメアス総合農業協同組合理事長、山田フェルナンド輝雄元パラー日系商工会議所会頭、山本修ジルベルトアマゾニア日伯援護協会会長、グチェヘイス大澤秀子元日本語普及センター・ポルトアレグレ・モデル校校長、谷口浩南日伯援護協会会長。