システム障害=ブラジルでも銀行などで問題発生=航空業界や病院などは通常通り

19日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)によると、世界各地で発生した大規模なシステム障害の影響で、ブラジルでも一部の銀行やフィンテック企業(デジタル技術を活用した金融サービスや商品を提供する企業)で、口座へのアクセスや支払いが実行不能になった他、アプリへのログインができないなどといった障害が報告された。
デジタルサービスにおけるインシデントを監視するウェブサイト「ダウンディテクター」によると、深刻な問題に直面したのはバンコ・パン、ブラデスコ、ネオン、ネクストの大手銀行四つだという。各行のデジタルチャネルがシステムダウンしたため、アプリケーションの機能が不安定になり、デビットカードやクレジットカードの利用を含む全サービスと取引が一時的にできなくなるなどの影響を受けた。
ブラジル銀行連盟(Febraban)によると、一部の金融機関のシステムは障害によって「程度の差こそあれ一時的に」影響を受けたが、「サービスの提供を著しく危うくするような事態は発生していない」という。声明によると、大半の国内の金融機関でのサービスは既に正常化しているという。
ブラジル中銀(BC)は、同行ではシステム障害は発生しておらず、正常に機能していると報告した。
他国の銀行は業務に大規模な影響を受けた。オーストラリアでは同国最大の銀行であるコモンウェルス銀行が、サービスの中断により、一部の顧客が送金できなかったと発表した。南アフリカのキャピテックは、カード決済、ATM、アプリケーション・サービスが大規模な影響を受け、復旧作業が必要だったと報告した。
一方、シルヴィオ・コスタ・フィーリョ港湾空港相は国内の空港業務は「正常」とし、「世界中の航空会社ではシステム障害のため、運航に影響が出ているが、ブラジルの空港では今のところ、運航への影響は出ていない」と自身のSNSに書き込んだ。
ラタン航空は声明を出して運航に影響は出ていないと述べる一方、SNS上で乗客に、フライト状況を随時確認するよう呼びかけた。
アズール航空は予約管理システムのグローバルサービスが断続的に停止しているため、一部のフライトに遅延が発生する可能性があるとし、フライトを利用する予定だがシステム上でのチェックインを済ませていない場合は、早めに空港に到着し、サービスデスクに立ち寄るよう要請した。
また、保健省は、病院サービスは影響を受けていないと報告。他の私立病院でも、システムが不安定になり、若干の速度低下が見られた以外は目立った影響は出ていないという。
この問題は、米国のセキュリティー企業「クラウドストライク」のセキュリティーソフトが発端で、影響は主にマイクロソフトのシステム・ユーザーに及んだ。世界数カ国で飛行機や空港が麻痺したり、銀行や通信サービスに問題が発生した上、ロンドンとシンガポールにある国際的な石油・ガスの大手企業も、取引業務が一時的に困難になったという。デジタルネットワークとシステムへの依存度が増す中、世界経済の諸部門が持つ大規模な技術障害に対する脆弱性が浮き彫りとなった。