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莫大な寄付金の使途不透明=豪雨被災者支援で集めるも

2023年8月5日

豪雨で被災した住民を救出する様子(4日付メトロポレサイトの記事の一部)
豪雨で被災した住民を救出する様子(4日付メトロポレサイトの記事の一部)

 サンパウロ州北部海岸のサンセバスチアン市で2月に発生した豪雨の被災者支援のため、非政府団体(NGO)のジェランド・ファルコインスが莫大な寄付金を集めたが、その使途や組織の会計報告に不明点が多いことが問題となっている。4日付メトロポレサイト(1)が報じている。
 サンパウロ州スザノ市に本部を置くNGOのジェランド・ファルコインスは募金キャンペーンを行い、個人や企業から2300万レアル以上の寄付を集めた。この寄付金の一部はミナス・ジェライス州の団体に送られ、自然災害における予防措置と初期救助に関する訓練に使われたという。この訓練の費用は38万8千レアルを超えている。
 7月18日に提出されたNGOの報告書には矛盾があり、資金の用途についての記述に明確さが欠けていた。この文書には、支出額や残高の記載がなく、寄付金が預けられた口座のバランスシートや銀行取引明細書の提出もなかった。
 さらに、一部の費用についても説明や計画書が不足していた。例えば、バルエリ市のエデンレド・ソルソインス社が発行した請求書によれば、寄付金のうち約125万レアルが「生産性向上のためのプログラム」の支払いに充てられたとのことだが、これに対する計画書も市には提出されていない。
 サンセバスチアン市の財務局の分析によれば、他にもいくつかの不整合が指摘されている。費用管理報告書の不足、宿泊費やその他の経費に関する請求書の不足、また地元組織への資金提供が支払い証明や会計報告の提出がないまま行われている点が挙げられる。
 ジェランド・ファルコインスは依然としてTシャツの販売を通して寄付金の調達を続けており、一部は緊急支援に使用され、残りの資金は災害復旧のために充てられると主張している。
 同NGOはエドゥアルド・リラ氏が2013年に創設した。当初は「文化とスポーツを通じた子供と青少年の社会的促進」に特化していたが、その後に事業を拡大。タルシジオ州知事などの政治家や有力な実業家との関係を深めてきた。
 サンセバスチアン市はジェランド・ファルコインスの会計報告書をサンパウロ州検察局に提出する予定だ。また、同市市役所は州政府、州検察局などからなる評議会を創り、寄付金の使途を決定したいと考えている。今後は透明性を高め、資金の監視を確保する体制づくりを強めていく意向だ。


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