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工夫と笑顔満載の運動会=老若男女250人が参加=マイリポラン同志会

2023年6月10日

競技「綱引き」の様子
競技「綱引き」の様子

 マイリポラン同志会(横溝エドアルド会長)は4日、サンパウロ州マイリポラン市の同会敷地内にて運動会を開催した。競技プログラムや会場準備を同会日本語学校生徒らが中心となって行い、来場した保護者や地域住民ら約250人と手作りの運動会を楽しんだ。

 運動会の準備は、日本語学校生徒、元学習者、保護者、役員らが運動会運営グループを結成して取り組んだ。
 競技プログラム作りでは、運動会が高齢参加者も楽しめるもの、日本語学習に繋がるもの、世代を超えたふれあいが生まれるものとなるよう、多くのオリジナル競技が考案された。
 競技「箸でつかもう!CATAR MILHO!」では、「愛AIAMOR」や「夢YUME SONHO」などの文字を折り紙で作った紙コップに書いてから、箸でトウモロコシの粒をコップに入れていく。「ビスケット食い競争」では、手を合わせて「いただきます」と言ってからスタート。「フルーツ競争」や「借り物競争」ではポルトガル語と日本語の両言語の札を使うなど、競技の中で日本文化が学べるようになっている。
 今回最も好評だった競技は「おじいちゃん、おばあちゃん、どこ?」だった。ルールは、来場している高齢者の名前が書かれた札を取り、会場からその人物を探し、サインをもらって、ゴールまで走るというもの。高齢者は走ったりする必要なく競技に参加でき、とても嬉しそうな様子だった。
 また、競技準備のため、高齢者が会場に姿を見せると、生徒らが競技への協力を依頼するために積極的に声をかけ、世代を超えた触れ合いのうまれる機会ともなった。
 年代や性別に関係なくできる「ボール渡し」や「ボール橋掛け競技」「うさぎの卵運び」なども行われた。
 会場には書道や折り紙の飾り付けが施され、受付では浴衣姿で参加者を出迎えるなど、来場者が日本文化に触れられるよう工夫が凝らされた。
 事前準備の一環として、競技説明や心構え、ごみの分別に関する説明動画も作成した。準備作業を通じて自発的に辞書などで日本語を調べる生徒が増え、学習面に効果があった。

 準備中、当初の予想より多くの来場者があるとわかり、競技内容の見直しや、景品の買い足しなどを行った。昼食が不足しないように横溝エジナ会長婦人がうどんを用意するなど、参加者の笑顔のために奔走。運動会後、来場者からは「年に2回やってほしい!」「こんなに気持ちのいい運動会がマイリポランで行われ、こんな嬉しいことはない!」などの声が聞かれ、運営関係者は喜びの表情をみせていた。
 生徒保護者からは「普段は引っ込み思案だった子がだんだん大声で指示をするようになって、成長の様子に感動した」などの感想のほか、「綺麗な字を書くようになっていて驚いた」「自分の絵に対して自信をさらに深めていたようで嬉しい」と運動以外でも成長や活躍ができる運動会への賛辞が聞かれた。
 来場者が挙げた運動会の一番良かった点は「参加者全員で片付けをしたこと」だった。
 マイリポラン同志会では運動会を通じて、会の活気が上がり、「婦人会や青年部を復活させたらどうか?卓球部を作ろう!」などの話し合いが始まっているという。
 運動会は三原セルジオ前会長が2019年に再開させ、コロナ禍の再休止を経て実施された。


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