site.title

4時間に1度農地での抗争=近年の標的は先住民共同体

2023年4月19日

農地での抗争に関する報告書を発表するCPTの人々(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
農地での抗争に関する報告書を発表するCPTの人々(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 【既報関連】パラー州のエルドラード・ドス・カラジャスでの農民19人の虐殺27周年の17日、土地司牧委員会(CPT)が2022年は4時間に1度、農地での抗争が起きたと発表したと17日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)などが報じた。CPTは、カトリック教会のブラジル全国司教会議(CNBB)の一機関。
 ブラジリア大学でのセミナーで発表されたのは、カラジャスでの虐殺27周年と農地改革のための闘争デー、農民闘争の国際デーの三つを記念する報告書だ。昨年は農地での抗争が前年比で10・39%増の2018回起き、90・94万人が8010万ヘクタールの農地で抗争を繰り返したという。
 農地での抗争には水を巡る紛争、奴隷労働の労働者救出、農薬汚染、殺人その他の暴力事件も含まれ、前年を4・61%上回る18万1304家族が関与した。中心となる土地を巡る紛争は前年より16・70%多い1572件起きたという。
 昨年の抗争の54・86%(1107件)は法定アマゾンで起きた。抗争での死者では47人中34人(72・35%)が法定アマゾン在住者だった。
 昨年は553件の抗争で計1065人の死傷者が出ており、死者は前年比で30・55%増、20年比では132%増えた。死者中18人は先住民で9人は土地なし農民。環境活動家と定住者、雇われた労働者も各3人死亡している。
 CPTは、「地球上で最大の熱帯雨林である法定アマゾンは搾取と荒廃の舞台と化し、真の地雷原を作り出している。昨年は先住民族と農民コミュニティに属する12万1341家族が影響を受けた」と表現。抗争の23%は農園主、16%は連邦政府、13%は企業家、11%は不法な形で入手した土地を分譲したりするグリレイロが原因で、連邦政府が原因の抗争は前年の6%から急増した。
 また、持続可能な開発区域(ZDS)などの保護地域での抗争も増え、昨年は150件がZDSで起きた。CPTは「2004年以降の抗争の焦点は土地なし農民による土地を巡る抗争や農地改革に反対するものから、先住民族を中心とする共同体を標的とする土地の略奪や侵略に変化している」とし、昨年殺された先住民保護活動家のブルーノ・アラウジョ・ペレイラ氏が行っていた、先住民居住地への侵略監視のための先住民訓練にも言及した。


連邦検察庁がモロ上議を起訴=メンデス判事への侮辱発言で前の記事 連邦検察庁がモロ上議を起訴=メンデス判事への侮辱発言でラヴロフ外相=「ブラジルはロシアと似た見解」=欧米の強い反発買うルーラ=プーチン親書大統領に手渡す次の記事ラヴロフ外相=「ブラジルはロシアと似た見解」=欧米の強い反発買うルーラ=プーチン親書大統領に手渡す
Loading...