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現地メディア、ルーラ政権100日を分析=PT看板政策復活が好評=勝手な閣僚発言等で不評

2023年4月11日

10日のルーラ大統領(Joédson Alves/Agência Brasil)
10日のルーラ大統領(Joédson Alves/Agência Brasil)

 ルーラ大統領(労働者党・PT)が大統領に就任して10日で100日目を迎えた。それにちなみ、現地メディアでは各々の視点でルーラ政権の100日間を分析している。
 10日付G1サイト(1)は、1月8日に起こった三権中枢施設襲撃事件後の対応が迅速だったことや、ロライマ州の先住民ヤノマミ族の危機への対応、以前のPT政権の看板政策でもあった生活扶助のボルサ・ファミリアや持ち家政策のミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィーダなどの社会政策をいち早く復活させたことに対して好意的だった。
 この点に関しては、他のメディアでも同様の見解が見られた。フォーリャ紙は「前政権で遅れたものを整理し直した」、カルタ・カピタル誌は「三権の関係に関して前政権との違いを明確にした」とし、共に「ボルソナロ政権との違いを明らかにした」点を指摘している。
 ただ、問題点の指摘では、各々のメディアで少しずつ異なっている。G1サイトは経済基本金利(Selic)が高止まりしていることに関し、ルーラ氏が中央銀行のロベルト・カンポス・ネット総裁への批判を繰り返し行っていることや、自身が断罪され、服役したラヴァ・ジャット作戦のことをむしかえし、当時の判事だったセルジオ・モロ上議(ウニオン)に同氏に降りかかった暗殺計画に関してまで懐疑的な発言を行ったことなどの、物議を醸した問題発言をあげている。
 経済関連の批判が最も手厳しかったのはエスタード紙で、「100日の間、経済に関する公約は何一つ守られなかった」と酷評。現在、連邦議会に正式な法案を提出しようとしている財政均衡法に関しても、「連邦議会を掌握しきれておらず、承認などのめどが立っていない」とした。
 フォーリャ紙は、局長クラスなどの役職の多くが未だに決定していないことやプロジェクトに対する資金調達の遅れ、さらにマルシオ・フランサ民間航空相(ブラジル社会党・PSB)が確約航空プログラム、カルロス・ルピ社会福祉相(民主労働党・PDT)が社会福祉に関する天引き返済融資の利子に関して連邦政府との見解が割れたように、連邦政府内での連携を疑問視している。
 同紙はまた、経済政策に関してフェルナンド・ハダジ財相とルイ・コスタ官房長官(ともにPT)で意見が割れ、決定が遅れていることもマイナス要因にあげている。
 カルタ・カピタル誌も連邦政府内での連携を指摘しているほか、ジョゼ・ムシオ国防長官(ブラジル労働党・PTB)など、一部閣僚への不信感や、野党側のアルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)との関係のもどかしさなどを問題点としてあげていた。


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