リオ・グランデ・ド・ノルテ州=法務省が刑務所への介入を許可=意図的な結核感染等も捜査

【既報関連】リオ・グランデ・ド・ノルテ州では16日未明も、13日夜に始まった犯罪組織による公共施設襲撃、放火事件などが続いているが、一連の事件の背景にあるとされる同州内の犯罪組織の抗争や刑務所内での虐待などの実態解明と改善のため、フラヴィオ・ジノ法相が15日、刑務所への介入を許可したと15日付G1サイト(1)(2)などが報じた。
同州では13日夜から連日、公共施設襲撃や放火などが繰り返されており、34市で被害が報告されている。
16日付G1サイト(3)(4)によると、事件発生から3日目となる15日から16日未明にかけては、国家治安部隊が到着した後にも関わらず、ナタル市など、少なくとも5市で公共施設や車、ガソリンスタンドなどを狙った犯罪行為が発生。ナタル市のガソリンスタンドで起きた発砲、放火事件や、ゴミ収集会社の倉庫が炎に包まれる様子を映した映像は攻撃の激しさを表している。
また、早朝に起きた路線バスや電車の駅への襲撃・放火事件の後は、バスや電車の運行も中止された。
警察は15日から16日の朝6時半までに容疑者57人を逮捕。火器15丁と爆発物46個、10ガロンの燃料も押収した。
一連の事件はここ2週間の間に起きた警官による麻薬や武器の押収を快く思わない犯罪組織が起こしたものと見られているが、14日付G1サイト(5)によると、同州の治安関係者は一連の犯罪行為の指示が刑務所の中から出ている可能性も否定していない。
16日付G1サイト(6)などによると、同州では2016年以降、少なくとも4回の大規模な犯罪行為の波が起きており、2017年に起きたアルカスス刑務所の大量虐殺事件など、ライバル関係にある犯罪組織を巡る抗争や暴力事件が後を絶たないが、犯罪行為の波は、何らかの形で刑務所と関係があるとされている。
15日付G1サイト(7)によると、2022年11月に行われた国家拷問防止機構(MNPCT)による査察では、5カ所の刑務所で査察を行った結果、吐き気を催すような異臭さえする食べ物を詰めた弁当やゴム弾を浴びた傷跡、初期の結核患者を使って健康な収監者も感染させたことを物語る血痰などの非人道的かつ残酷な扱いを示す証拠も見つかったといる。
15日付G1サイト(8)によると、ファッチマ・ベゼーラ知事(労働者党・PT)は刑務所内の状態が悪いほど刑務所外での犯罪行為もひどくなることに同意し、これらの告発についても徹底した捜査を行うことを約束。
刑務所管理局のエルトン・エディ局長も、昨年の査察以降、2度の会合を開き、事実関係を調査し、改善策を導入していると語っている。
フラヴィオ・ジノ法相によると、刑務所への介入は30日間で、囚人のための警備や監視、拘留サービスの管理や調整を行うことになっている。