連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第135話

・四月は黒木家の家族の近況を日記に詳しく書いてある。
・五月は世界・地球・人類などについて、私の考えを日記に書いた。
・六月二十五(月)~二十八日(木) 久しぶりに旅に出た。アラゴーアスの首都、マセイオでホテル・モーテル・建築業など、手広く事業を展開している新宮崎県人会会長谷広海さんから、彼の住まいの新築祝いに招待されたのだ。県人会役員とカラオケのおばあちゃん達等十二名で、四日間お世話になった。北伯の海辺には、一度でいい、行ってみたかったので、ちょうど良いタイミングであった。マセイオはずれの小高い丘の上の瀟洒な家からは街並みと海辺が一望出来て、すばらしい眺めであった。贅沢なラゴスタ料理を腹一杯食べて、大満足。次の日は彼のボートで海辺周り、貝拾い、海水浴など楽しんで、すばらしい旅であった。
・八月二日(木) 日本の千葉県在住の大近江英世(弥栄香姉の夫・八十歳)死亡。神奈川の絵理子から連絡があった。一人暮らしで、毎日食事を配達する人が、死んでいる彼をみつけたそうだ。死因は肺酸欠だったとか。一人娘の三角芳枝が千葉に住んでいる。(ケイタイ電話・〇〇二一ー八一―九〇―八三 四一―九二八六)
・九月十七日(月) 眼の瞼の手術(シルルジア・プラスチカ)をSBC病院で受けた。車の運転中に、瞼(まぶた)がひとりでに下がって来て、視界が暗くなって来たので、瞼をつり上げてもらった。二重瞼でもっと美男子?になったけど、、視界、明るさには余り変化はないようだ、それよりも映像がボヤケル、白内症がもっと問題だ。
・十一月九日(金) 私と美佐子のシチオの土地三十二ヘクタールを長男悟の名義に切り替えた。つまり遺産相続である。サンロッケのセグンド・カルトーリオでその係のマルセ―ロにドアソン(贈与)の形式でやってもらった。まず悟以外の三人の娘達、瑠璃子・恵美・絵理子とその夫達、今西ミゲルけいじ・今里エジソン啓・そして日本にいる後藤慶に相続権放棄の同意書にサインしてもらう。皆快く同意してくれた。日本に居る末っ子のルーシー絵理子夫婦の同意書はオリジナルを郵送してもらって、長女瑠璃子がその委任状の被依頼人となって、今日のこの日に三夫婦一緒に揃ってサイン出来た訳である。その後エスクリツ―ラ(地権)を私と美佐子から長男悟の名義に移す手続き中で、それには登記費用を含めて七千レアイス位かかるそうだ。そして、この登記が完了したら、シチオは悟の名前になり、私達の死後、相続の心配はなくなる。三人の娘達が相続権を放棄したのも、彼女達はそれぞれ親の財産を当にしなくても、結構な生活をしているので、余り抵抗を感じなかったようだ。

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