連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第118話

・十月十日 家の近くのモラーダ・ドス・パッサロスの土地(千五百平米)を九千レアイスで売った。
・十月十九日 三十年もののユーカリを売った(一万千七百レアイス)。
・十月二十九日 慧の七十三才の誕生日 悟、みずえ。茜、成人よりデジタルカメラのプレゼント。
・十一月十五日 シチオの風除け用の松(ピヌース)を売った(二千レアイス)。今年に入って何も金に困っている訳ではないけど、遊んでいる物件は何でも金に換えた方が利子が増えると言う事で、土地(ロッテ)を八千、一万リットルのカイシャ・ダ・アーグア(水溜)を一千、ユーカリを一万、松を二千、その他で合計二万二千の金になった。一ヵ年で二千レアイスの利子がつくだろう。
・十二月五日 コチア青年の森は早いもので三年が過ぎた。生育は大きいもので四㍍余りに、生育の悪いものは植えた時からほとんど成長せず、かなりの本数が枯れ死して、影に強い気弱い木、それに個体差、種類等の差異があって皆どの木も順調に大きくなるとは限らず、反対に育成の悪い方が多い位で、コチア青年の森は森造成よりも試験場的傾向が強い。年に二回の手入れ日は私、美佐子が主役。四十~五十人の仲間が世話をする。
・十二月十四日 宮崎より田口正幸研修生(北郷出身)到着。ブラジルより住谷カミーラかおり、遠藤ナターシャりえ研修生訪日。
・十二月二十三日 国士舘マレットゴルフ場の第二サロン完成祝い。
・十二月二十五日 クリスマスの聖夜はみずえの家でじゅん子さん家族と真夜中までにぎわった。

 二〇〇八年(平成二十年) ねずみ年 慧七十三才、美佐子六十九才
・一月一日 正月元旦 暑い日が五~六日続いている。年越しにはるり子、悟、恵美の家族が皆集まって年越しそばを食べて祝った。日本のえり子達から電話あった。元旦の昼頃から巳知治、美津子、大介もやって来た。皆元気元気。るり子の乳ガンも心配なし。
・一月九日 美佐子の健康診断、腸内視鏡検査(コロノスコピア)、超音波検査、胃カメラ、婦人科検査など、特に異状なし。慧も血液、尿検査、胃カメラ、異状なし。
・一月十六日 リオペケーノの山下マッサージ師に行く 左足腰と右腕が上がらない。
・一月十九日 この頃、友人の葬儀が多い(イビウーナの佐藤さん、白旗洋一、イタペチニンガの武田敏輝)
・一月二十日 交通事故、大雨の道路の流水にハンドルをとられてFOXの左前部を損傷。

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