連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第115話

・十月二十九日 コチア青年五十周年記念誌出版パーティーが宮城県人会館で開催された。この日は私の七十二才の誕生日である。又この日はブラジルの大統領の決選投票が行われ、ルーラ六〇%、アルキミン四〇%で、ルーラが第二期四年を続投することになった。日系では連邦議員にコチア青年(熊本)二世の飯星ワルテル君が当選した。
・十一月十五日 休日で恵美の友達が三〇人位家族連れで我が家に来てにぎわった。
・十一月十六日 私のふるさと日向市より三名の民謡使節団がやって来た。これはJICAの派遣で、日向木挽き唄の名人、細川(私の後輩)、多田(尺八)の諸氏である。
・十一月十九日 宮崎の日南市より田村ジューリアさんが母堂七周忌のため帰国した。ジューリアさんは一九八七年に宮崎に留学中に田村通康君と知り合い、次の年に結婚。田村通康君はブラジルに県が派遣する農業青年でブラジルでの三ヶ月の研修を終えて宮崎に帰り、その仲間で組織した南十字星の会の会長を二十四年間頑張って働いて来た青年で、ブラジルの世話役の私とはいつも連絡を取り合った間柄であった。その後、会長を児玉あつし君にゆずった。
・十二月四日 宮崎から園田千春農業研修生(清武町出身十九才)来伯。
・十二月六日 コチア青年の森の手入れ・婦人の集い・忘年会で四十二名の参加者あり。
・十二月十日 宮崎県安藤忠ひろ知事の談合事件に一番にかかわったとして、二〇〇四年八月の県人会五
 十五周年に来伯した江藤隆出納長が逮捕された。
・十二月十一日 県受け入れ農業研修生 国府シンチアさんと小野ブルーノ君の訪日と一緒に桑平理事南 十字星の会二十五周年記念式典(十二月十六日)に参列した。
・十二月二十二日 ラポーゾ・タヴァレス街道の複線化工事がバルゼングランデまでほぼ完成。
・十二月二十五日 クリスマスには黒木家家族が皆集まった。巳知治と圭太も来てくれた。
・十二月三十一日 悟達親子四人はフロリアノポリスで前田家の皆と正月を過ごす。

 二〇〇七年(平成十九年)
・一月一日 今年の正月は私共老夫婦二人きりの静かな雨の一日であった。子供達家族はそれぞれ、瑠璃子達はイタニャエン、恵美達はウバツーバ、悟達はフロリアノポリスで五日間、と皆海辺に旅たって行った。
・一月三日 下の入れ歯とメガネの交換 年の始めから修繕ばかり。

最新記事