連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第98話

・四月二十八日 パラチ旅行 コチア青年婦人部(黒木美佐子会長)主催。
・五月三日 有機栽培をやってみようとオルチアルテ社とシチオ・サンフランシスコ社を訪問調査する。
・五月十六日 私の二番目の姉、苗代信代来伯。巳知治の招待での来伯で、ほとんど私の家に宿泊した。七十三才で昔と違って、小さくやせて、でもすこぶる元気である。カトリックの信者で二週間位滞在した。記念の木を植えて行った。
・六月十日 天理教バウル伝導庁五十周年記念祭、ソロカバの仲間と参列した。
・七月十日 エンリッケをサンロッケの裁判所に野菜代金未払いで訴えた。
・七月二十二日 ABRAC(全伯)カラオケ大会(マリンガ市)で六十六才以上七十才までの部で黄色(いつも弱い地方)で優勝した。でも全体では七位であった。
・八月九日 みずえ、悟と子供、絵理子達リオ・ケンテに休養で遊ぶ。
・八月二十三日 弟巳知治が歩けなくなり、脊髄下部の手術をした。痛風もある。巳知治は仕事を取るための接待外交などで飲む機会が多く、食も贅沢なものが多いこともあって、痛風に悩んでいる。
・八月二十六日 悟のやく入り、七十人位を招待してシチオで祝った。
・九月十一日 北米多発テロ、ニューヨークのツインビルにテロ機が突入倒壊した。
・九月十七日 悟の訪日就労、千葉の前田こうじ君の世話で。悟の留守中、花は私が面倒を見ることになった。
・九月三十日 四人組の強盗に押し入られた、朝起きてすぐ、美佐子はカマラーダ(労務者)が来る前に正門の扉を開けたところに強盗が隠れていて、飛び出すや否や、ピストルを突きつけて、家の中に入ってきた。何も知らずに働きに来たカマラーダ達も皆制圧して、家の古いコンビ車にあらゆる電気製品をカマラーダに手伝わせて積み込んで、1人の頭を残して出て行った。残った頭目は悟のピストルを盗み、まだ色々物色中の所に、ジョン・バチスタと言うカマラーダの電話通告で警官が到着。その頭目を取り押さえた。その頭目はサンロッケの牢獄に半年位つながれていたけど、コンビ車と電気製品は帰って来なかった。私はその後無免許ピストルの件で二カ年間始末書に毎月サインさせられた。でもこの泥棒達は暴力を振るわなかったのがまだよかった。
・十二月十日 宮崎より荒内央仁君と中武洋文君到着 ブラジルより興梠ワルテル君と瀬口エジナ徳子さん宮崎へ研修に出発。

最新記事