在サンパウロ総領事館=日伯友好関係貢献の5氏表彰=令和3年度外務大臣表彰受賞式

在サンパウロ総領事館は8月19日、日本政府が昨年(令和3年)に発表した外務大臣表彰受賞者の内、同領事館管轄内受賞者に対する受賞式をサンパウロ市の在サンパウロ総領事公邸で行った。表彰式には受賞関係者らを始め、日系団体代表者ら33人が出席した。
外務大臣表彰は、日本の国際友好関係増進に多大な貢献をした個人および団体の功績を称え、その活動を広く世に知らせることを目的とした日本政府の顕彰事業。令和3年度表彰では在サンパウロ総領事館管轄内から野村アウレリオ、山下譲二、大塚ジョルジ、渡部一誠、エリソン・トンピソン・デ・リマ・ジュニオールの5氏が選ばれた。
受賞式では林芳正日本国外務大臣に代わり、桑名良輔在サンパウロ総領事が表彰状を受賞者に手渡した。挨拶に立った桑名総領事は「私たちは日伯両国のさらなる友好関係の進展を願っています。受賞された皆様にはぜひ今後もご活躍いただきたい。領事館も共に励んで参ります」と述べた。
受賞者の野村氏は、サンパウロ市議会議員を25年以上にわたって務め、日系社会活性化などに貢献した。野村氏は「政治家だった父は日本とブラジルの友好関係がより強くなることを望んでいました。私の政治家としての活動が日伯両国の関係強化に寄与し、また表彰までして頂けたことはとても光栄です」と話した。
山下氏は、ブラジル日本文化福祉協会(文協)の評議会会長など重職を歴任し、日本文化普及に貢献した。山下氏は「両親は異国の厳しい環境下で、日本との関りを保ちながら私を育ててくれました。息子が外務大臣表彰を受けたと知ったらすごく喜ぶでしょう」と語った。
大塚氏は、1990年にブラジル野球ソフトボール連盟を設立。現在まで会長を務め、両競技の普及活動を通じて、礼節など日本の価値観も広めた。大塚氏は「亡くなった両親も大変喜んでいると思います」と述べた。
渡部氏はサンパウロ大学生物医科学研究所で解剖学部教授を務め、学術分野での日伯交流に貢献。ブラジル和太鼓協会初代会長も務め、日本文化普及にも貢献した。渡部氏は「言葉に余るほど嬉しいです。お世話になった方々には感謝の気持ちしかありません。これからの人生どうなるか分かりませんが、より活動に励んで参ります」と話した。
エリソン氏は、茶道裏千家淡交会ブラジル協会やブラジルいけ花協会で会長を務め、日本文化普及に貢献した。エリソン氏は「ブラジル人として日本政府からこのような表彰がいただけるとは思わず、とても驚きました。日本文化に携わり40年。日本から認められたようでブラジル人として非常に感動しています」と語った。
受賞式後、歓談の場が設けられ、参加者らは親睦を深めた。