「みんなとても喜んでいます」=希望の家の改修お披露目=JICA252万レアル助成

除幕式の様子(左から桑名総領事、折本会長と江口所長)
除幕式の様子(左から上原テーリオ希望の家副会長、桑名総領事、江口所長、下本会長、)

 知的障がい者の生活支援を行う日系福祉団体「希望の家福祉協会」(下本ジルセ会長)の、国際協力機構(JICA)助成による設備改修お披露目式が4月20日、サンパウロ州イタクアケセトゥーバ市の同協会本部にて行われた。
 希望の家によると、JICAによる助成金額は約252万レアルで、今回の改修により、寝室の改修及び専用バスルームの増築、屋外エリアとキッチンの設備改修が行われた。今回の改修は、新型コロナウイルスに対する基本的対処方針に基づき、居住者の健康状態の改善、自律性と生活の質を向上させることを目的として行われた。
 お披露目式には、桑名良輔在サンパウロ総領事、江口雅之JICAブラジル事務所長らが出席。挨拶に立った下本会長は「今回の改修で入居者がより快適で安全に過ごせる施設にすることができました」と涙ながらにJICAを始めとする協力関係者に感謝を述べた。
 桑名在サンパウロ総領事は、希望の家の歴史と同協会創立者の市川幸子さんについて触れ、「社会を改善するためには、皆で力を合わせなくてはなりません」と今回の改修工事も多くの人々が入居者の生活が豊かになる様にと願い、協力してくれた結果であると語った。
 江口事務所長は「希望の家が行っている活動は尊敬に値し、活動を支援できることを誇りに思います」と述べ、これからも活動援助を行っていく意向を示した。
 入居者のジルベルトさんが祝辞に代えて長渕剛の有名曲『乾杯』を披露し、出席者を感動させた。ジルベルトさんは今回の施設改修について「とても嬉しい。一緒に住んでいるみんなもとても喜んでいます」と喜びを述べた。
 希望の家福祉協会は、日本の福祉専門家、市川幸子さんによって1970年に設立された。市川さんは、ブラジル日系社会で知的障がい児童の生活支援を行う「こどものその」創立者の長谷川良信さんの協力要請に応え、1958年に来伯。「こどものその」の運営に携わる傍ら、日系社会の福祉事業や障害を持つ子供たちの状況をつぶさに視察し、70年に希望の家福祉協会を立ち上げた。

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