PIPA=新本部ビル、新機材お披露目=「日常生活療法の南米モデル」

生徒たちの和太鼓演奏を聴く出席者ら
生徒たちの和太鼓演奏を聴く出席者ら

 サンパウロ日伯援護協会(援協、税田パウロ清七会長)傘下の自閉症児療育施設「PIPA」への国際協力機構(JICA)助成による新機材導入と新本部ビルお披露目式が、6日午前10時からサンパウロ市パルケ・ノボムンド区のPIPA本部ビル内で開かれた。
 JICAによる同ホームへの助成金額は約54万5千レアル。今回の資金援助により、日常生活療法(TVD)に基づいた学習のためのノートパソコンやカメラのほか、洗濯機等の新機材が導入されたという。
 お披露目式には、来賓の山内隆弘在サンパウロ総領事館領事部長、江口雅之JICAブラジル事務所長、小寺勇輝(ゆうき)ブラジル三井物産社長をはじめ、税田会長、菊地義治評議員会長ら援協役員、PIPA生徒と父兄および職員など約60人が出席した。
 同本部ビル5階で松本フェリッペ施設長の司会で進行された式典は、2006年に始動したPIPAの活動を振り返るビデオの上映後、TVD専門家でPIPA開設当初の指導を行った三枝(さえぐさ)たか子氏のメッセージを松本施設長が代読。PIPAのこれまでの活動には父兄や関係者の並大抵ではない努力があったことに触れ、「TVDの南米のモデルと言っても過言ではない」と現在のPIPAの

記念プレートの除幕を行う菊地評議員会長、井上経営委員長、税田会長、山内領事部長、江口所長、小寺社長(左から)
記念プレートの除幕を行う菊地評議員会長、井上経営委員長、税田会長、山内領事部長、江口所長、小寺社長(左から)

活動を称賛した。
 引き続き、井上健治運営委員長が挨拶し、10年間におよぶ三井物産財団からの寄付金と、今回のJICA助成金へ感謝の意を示し、「皆さんの協力により出来上がった新しい施設と設備を最大限使えるようにしていくことが我々の責任」と気持ちを引き締めた。
 来賓祝辞と税田会長の謝辞に続いて、PIPA生徒たちによる和太鼓演奏、エレクトーン演奏とピアニカ及び和太鼓の合奏、合唱が披露された。
 4階の教室やパソコン室などの視察が行われた後、地階で記念プレートの除幕が行われた。
 その後、5階の式典会場で税田会長から山内領事部長と江口所長に感謝状と記念品が手渡され、PIPA実現のきっかけを作った菊地評議員長に生徒から記念の絵画が贈呈された。菊地評議員会長が乾杯の音頭を取り、出席者は昼食をとりながら歓談を楽しんだ。

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