《ブラジル》農業支援計画への資金確保=議会が26億レの拠出承認

連邦議会が28日、農業生産支援計画用の資金増額などを含む、26億レアルの捻出を可能とするプロジェクトを承認したと28、29日付現地紙、サイトが報じた。
農業生産者への低利息での貸付などを含む農業生産支援計画に関する予算は農務省の予算の一部だが、インフレ高進で経済基本金利が引き上げられているため、返済金利を少しでも低く抑えたいと考える生産者からの融資申請が上半期に集中。
このため、28日付現地紙などには下半期用の資金は既に枯渇と報じられており、経済省は増税などまで含む形で資金を確保しようと躍起になっていた。
農業生産者らは昨年来、干ばつや霜害で生じた損失を取り戻す必要に駆られており、連邦政府への緊急支援要請も相次いでいた。
そのような中で生じたのが、農業生産支援計画用の資金枯渇だ。連邦政府は同計画に基づく融資のための資金捻出を図り、連邦議会にも圧力をかけていたが、28日に26億レアルのクレジットを可能とするプロジェクトが承認された。
このプロジェクトには、人件費などの義務的経費として17億レアル、21/22農年の生産支援計画用の経費として8・685億レアルなどが見込まれている。
21/22農年の農業生産支援計画では農業生産者向けクレジットとして2・512億レアルを見込んでいた。だが、経済基本金利が想定以上のレベルに引き上げられた事で融資の申請が殺到。融資用の資金枯渇で2月以降は新しい融資が実質的に止まっていた。
全国農牧業連合(CNA)技術担当理事のブルーノ・ルッシ氏は、今回のプロジェクトが承認された事で、21/22農年用だが凍結されていた資金も開放されると期待している。同理事は、通常の融資の返済金利は最大で19%に上っているが、生産支援計画による融資の返済金利は最大で7%だ。生産者への融資の可否を左右するプロジェクト法案は大統領の裁可を経て発効となる。