ハーバード大最優秀賞にサラさん=ブラジル人初、精神医学研究で

サラ・アギアール・モンテイロ・ボルジェスさん(Foto: Reprodução/Redes sociais)
サラ・アギアール・モンテイロ・ボルジェスさん(Foto: Reprodução/Redes sociais)

 世界最高学府、米ハーバード大学で、ブラジル出身の奨学生サラ・アギアール・モンテイロ・ボルジェスさんが、2025年の卒業生の中で最も優れた学業成績を収め、厳格な選考基準で知られる「ソフィア・フロイント賞(Sophia Freund Prize )」をブラジル人として初めて受賞したと24日付G1など(1)(2)が報じた。
 トランプ大統領が同大学に対し、外国人留学生の受け入れ停止を求めるなど、政治的圧力が高まる中での快挙として注目を集めている。
 サラさんは中西部ゴイアス州都ゴイアニア出身で、ハーバード大学心理学部に奨学生として入学。学業優秀者にのみ授与される最高の学位称号「スンマ・クム・ラウデ(summa cum laude)」を獲得。その称号に付随するソフィア・フロイント賞をブラジル人として初受賞した。
 同賞は、学部課程においてクラス最高の最終成績を収め、首席で課程を修了した優秀な学生に贈られる。約2千人の2025年度卒業生の中から、サラさんを含む53人にこの賞が授与され、それぞれに賞金1千ドルも贈られた。
 スンマ・クム・ラウデは米国の大学における最高学術栄誉であり、極めて高いGPA(履修科目の成績を数値化して平均した指標)を維持した学生に与えられる。17歳までは英語で作文を書いたこともなかった自分が、世界屈指の名門大学でトップの成績を収めるようになるとは想像もしていなかったとサラさんは語っている。
 今後は英ケンブリッジ大学で精神医学の博士課程に進学する予定であり、極めて競争の激しい同大学の奨学金制度、ゲイツ・ケンブリッジ奨学生として研究に取り組む。彼女の研究テーマは、精神疾患にまつわる社会的スティグマ(偏見)が若者の医療サービス利用に及ぼす影響を解明し、より効果的な精神医療サービスの提供方法を追求することにある。
 幼少期を過ごしたゴイアニアでの経験から、社会的・構造的な要因が心理的苦痛を引き起こし、長期化させることを実感。大学での研究を通じて、特に若年層における精神疾患への偏見が治療へのアクセスを著しく妨げていることを明らかにした。
 ケンブリッジ大学では指導教官シャロン・ノイフェルド博士のもと、どのような精神医療の提供形態が若者に最も効果的であるか、またその適用環境について研究を継続する意向だ。
 サラさんは「ハーバード大学ではゴイアス州出身としては初の学生となり、現在はゲイツ・ケンブリッジ奨学生として研究に取り組むことが認められている。自らに与えられた機会を活かし、研究や政策の場で度々置き去りにされがちな人々の福祉向上に貢献する責任を強く感じている」と述べている。
 サラさんは「初心を忘れずに未来への希望を持ち、困難な知識の探求に情熱を注ぎながら、より良い未来に貢献したい」と語っている。

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