
サンパウロ市のジャパン・ハウス(JHSP)で5月31日、ブラジル初となる「日系ブラジル人女性全国大会」が開催され、新たに「日系ブラジル人女性ネットワーク(Rede Nipo-Brasileiras)」が正式に発足した。
今回の大会には、ブラジル国内各地から約80人の日系女性リーダーや各分野のキーパーソンが集結。ブラジルと日本の外交関係樹立130周年を記念するとともに、日系女性の歴史、文化、社会的役割を再評価し、発信することを目的とした。
当日は「(日伯外交関係樹立)130年の歴史における女性の役割」「健康と福祉」「起業家精神」「日本政府のプログラム」などをテーマに、パネルディスカッションや座談会、トークセッションが行われた。
登壇者には、日本移民史料館の山下リジア運営委員長(文協副会長)やロベルト・ノリオ学校の山内和子校長(歴史座談会)、モデル・女優のジャケリネ・サトウ氏(「現在」座談会)、企業キャリアセラピストのマリエ・スズキ・フジサワ氏(「未来」座談会)らが名を連ねた。
JICA(国際協力機構)ブラジル事務所の川村怜子次長、JETRO(日本貿易振興機構)のタチアナ・ナガミネ氏、イノベーション分野のミシェル・タミナト氏、医療分野からはカチア・ハラナカ博士も登壇。進行役はマルシア・ナカノ氏(座談会)、アナ・リジア・ポゼッティ氏(パネル)が務めた。
開会式には駐ブラジル日本国大使の林禎二氏、JICAブラジル事務所の宮崎明博所長、ジャパン・ハウスのカルロス・ローザ館長らが出席した。
ネットワーク発足にあたり、参加者によって読み上げられた「マニフェスト」では、日系女性のアイデンティティの強化と社会参加促進への決意が表明され、会場は感動に包まれた。
特にJICAブラジル事務所次長として日系女性支援プログラム「J-WINGS」(JICA Women’s Initiatives Nikkei for Goals of Sustainable Development)の立ち上げに尽力した川村怜子氏が、参加者から「日系女性活躍推進の名誉アンバサダー」として称えられた。
大会は、REN Brasilと「Mulheres que Inspiram(インスピレーションを与える女性たち)」グループが主催し、日本大使館、JICA、ジャパン・ハウス・サンパウロの支援、そしてAssahi Gastronomia Oriental & Eventos社の協賛により実施された。
同ネットワークの発起人であるリカ・カワノ氏とレスリー・イシイ氏によれば、今後は各州での日系女性グループの立ち上げ支援、2026年の第2回全国大会の開催準備、日伯両国の企業・団体との連携強化、そして2025年を通じた130周年記念行事への積極参加が予定されているという。
大会の全プログラムや詳細は、「日系ブラジル人女性ネットワーク」のInstagramやYouTube公式チャンネルで順次公開される予定。詳細は公式サイト(www.nipobrasileiras.com.br)でも確認できる。