8日(日)、秋篠宮佳子内親王殿下(以下、佳子さま)は、3日間のサンパウロご公務の後、マリンガに飛行機で移動され、2日間でパラナ州の日系人が多く居住するマリンガ市、ローランジャ市、ロンドリーナ市の3都市を密なスケジュールの中、ご訪問され現地の方々に温かく迎えられた。
8日午後4時半、マリンガ文化体育協会(ACEMA)に赤いドレスに身を包んだ佳子さまが到着されると、日伯国旗を手にしたマリンガ加古川外国語センター日本語コースに通う60人の子どもたちに歓迎された。
マリンガ文化体育協会のシオザキ・アフォンソ会長と妻エリーザさんに中庭に案内され、日伯外交樹立130周年記念としてブラジル国花の白イペーの苗木を植樹された。シオザキ会長による説明の後、佳子さまは感謝の旨を述べた。

同協会小会館にて若手日系人ら23人をご引見した後、マリンガ日系社会歓迎式にご出席された。会場には500人以上の日系団体関係者やマリンガ市長らが出席し、佳子さまがご来場されると全員が花道を作って出迎えた。
君が代、ブラジル国歌斉唱の後、シオザキ会長は「日伯外交樹立130周年という大事な節目に渡伯していただけたことに感謝します。上皇陛下、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、お姉さまの眞子さま、そして佳子さまをマリンガでお迎えできたことを嬉しく思います」と歓迎の言葉を述べた。
同市のシルヴィオ・バロス市長は「私たちは日伯で文化やスポーツ、経済的に交流を続けています。これまで何度も皇族の方々が私たちの市をお尋ねいただいたことに感謝します」と述べ、最後に「ようこそおいでくださいました」と日本語で言葉を贈った。
西森ルイス連邦下院議員は「日伯で正式に国交が結ばれて130年の年にマリンガ市にお越しいただき、誠に光栄で感無量でございます。現在ブラジルには270万人以上の日系人が政治、農業、教育、サービス業などあらゆる分野で活躍され発展に大きな貢献をしています。当地、ACEMAを中心に各日系団体が、日本の文化や習慣、教育の保存や伝承を続けブラジル社会で高い評価を受けています」と歓迎の挨拶を行った。

佳子さまは日本人移住の歴史に触れ、ブラジル社会への貢献に敬意を表され、「ブラジルから日本にも日系の方を中心とする約21万人が来られ、様々な分野で活躍されています。ブラジルにいる日系の皆様とブラジルから日本に来られた方々、お一人お一人のご努力は日本とブラジルの友好関係を更に深めることに繋がっていると感じています。深く感謝申し上げます」と述べた。
さらに「マリンガ文化体育協会には、室内体育館や各種競技のコート、プール、ビーチテニス場があり、またマリンガ市と姉妹都市関係にある兵庫県加古川市の協力により、日本語学習設備も整備されていると伺っています。これらの施設を使い、若い世代を含む幅広い年齢層の会員の皆様が交流されていると知り、嬉しく思います」と言及、「今後も日系社会に親しい気持ちを大切に持ち続けます」と強調された。
ご挨拶の後、シオザキ夫妻からACEMAの記念品を佳子さまに贈る際、妻エリーザさんは「心を込めてプレゼントを選びました」との言葉を添えた。マリンガ市長からも記念品が佳子さまへ贈呈された。

式典終盤には、ACEMAが誇る日本芸能集団である若太鼓と最強よさこいソーランが元気よく披露された。パフォーマンス後、佳子さまは大きな拍手を贈られた。
閉会の言葉でサトウ・ジルセウ評議委員長は、日伯の節目の年に皇族訪問があることに感謝を述べ、佳子さまのご訪問を光栄と語った。「マリンガ日系コミュニティは約4千家族と想定されています。当協会は今年、創立70周年を迎え約1千家族の会員がスポーツや文化、日本語学校を通じて師弟の教育と日本文化の継承に取り組んでいます」と歓迎会を締めくった。
佳子さまは会場を後にされたあと、パーフォーマンスを行った若太鼓と最強よさこいソーランの若者たちと握手を交わし交流を行った。
式典に参加した了アンナきよえさん(77歳、2世)は「秋篠宮ご夫妻、眞子さま、そして佳子さまとお会いできてとても嬉しいです」と話した。三澤寿志(70歳、3世)は「戦前に日本に帰る意思を持ってブラジルに来た祖父や祖母のことを想うと感嘆深いです」と語った。