
日伯外交関係樹立130周年を記念して来伯中の秋篠宮佳子内親王(以下、佳子さま)は7日(土)午後、サンパウロ市のブラジル日本語センター(CBLJ、矢野敬崇理事長)を視察された。同センターは、ブラジルにおける日本語教育の普及と日本文化の継承に尽力しており、佳子さまの訪問は、長年にわたる教師たちの努力と献身に対する大きな励ましとなった。
佳子さまは5日に来聖されて以来、開拓先没者慰霊碑と日本館、ジャパン・ハウス、日本移民史料館や文協などを訪問し、タルシジオ・デ・フレイタスサンパウロ州知事や、ブラジル各地で活動するJICA海外協力隊員とも懇談した。7日午前には憩の園(日系高齢者施設)を訪問し、午後に同センターへ足を運ばれた。
同センターに到着された佳子さまは、日伯の国旗を手に集まった大勢の日本語教師や関係者らに温かく迎えられた。佳子さまは建物に入る前、集まった人々に対し丁寧に挨拶をした。
センター内講堂へ移動し、さらに多くの教師や関係者から拍手で迎えられた。矢野理事長、志村マルガレッテ副理事長が歓迎のスピーチを行った。
矢野理事長は日伯130周年、同センター創立40周年という記念すべき年にお迎えできたことに感極まり、涙をこらえきれない様子だった。日本語を学ぶ生徒や教える教師が大幅に減少するという逆境に直面しながらも、センターが今日まで活動を続け、日本語と日本文化の保存に貢献できているのは、教師たちの支援のおかげだと震える声で感謝した。
志村副理事長は、遠方からはるばる佳子さまとの面会のために駆けつけた教師たちの存在を紹介した。南麻州やパラー州から来た教師がいることに触れ、特にパラー州とサンパウロ州の距離は、東京と北海道間の3倍に相当すると説明し、教師たちの熱意を強調した。志村副会長は、当地の日本語教師が単に言語を教えるだけでなく、文化交流の担い手として、多文化共生を支援し、日系社会に貢献していると述べ、佳子さまとの今回の出会いが、これまでの苦労が報われる大きな励みとなり、今後の大きなモチベーションとなると語った。

パラ―州から飛行機で訪れた越知恭子先生も、佳子さまとの面会を果たした一人だ。40年間教壇に立ち、現在は幼稚園、小学校、中学校、日本語学校の四つの教育機関を運営し、すべてのカリキュラムに日本文化を取り入れているベテラン教師だ。
越知先生は、緊張のため佳子さまと多くの言葉を交わすことはできなかったものの、「とっても素敵な方でした。佳子さまのような方が日本の皇室にいらっしゃることで、将来はきっとブラジルだけでなく、日本が世界にもっと広がっていくのだと思いました」と感じた様子だった。
佳子さまは、教師たちとの記念撮影の後、大志万学院へと向かわれた。