【28日の市況】Ibovespaが13万5千ポイント台回復、昨年9月以来=ドルは7営業日連続で下落し、前日比0.68%安の5.648レアル

 ブラジルの代表的な株価指数であるIbovespaは、4月28日(月)の取引を小幅高で終え、前日比0.21%高の13万5,015.89ポイントで取引を終了した。これにより、指数は昨年9月5日以来、約7カ月ぶりに13万5千ポイント台を回復した。取引時間中の上昇幅は限定的だったものの、上昇は6営業日連続となり、3月中旬以来の連続上昇記録となった。

 市場関係者によれば、世界的な地政学リスクや経済指標発表を控えた様子見ムードが根強いなか、上昇基調が維持されたことはポジティブに評価されている。

米中関係を巡る緊張が継続

 一方、国際市場では米中間の通商問題が引き続き重しとなった。米国財務長官のスコット・ベッセント氏は、15〜18か国との「個別交渉」を進めていることを明らかにしたが、中国とは直接対話していないことを示唆。中国側も、トランプ大統領が習近平国家主席と交渉した事実はないと否定し、緊張緩和には依然時間を要する見通しだ。
 こうした中、中国は米国産コモディティへの依存度を下げる姿勢を示し、追加の経済刺激策を発表するなど、独自路線を強めている。

欧州市場は小幅高、米市場はまちまち

 欧州市場は、域内で発生した大規模停電による不安感が広がるなか、主要株価指数が小幅ながらも上昇して取引を終えた。
 米国市場では、今週発表される第1四半期GDPや雇用統計(JOLTs・payroll)を前に、投資家心理は慎重となり、主要指数は方向感に欠ける展開となった。
 こうしたリスク回避ムードを背景に、米ドルは対主要通貨で弱含み、ブラジルレアルは堅調に推移。ドル・レアル相場は7営業日連続で下落し、終値は前日比0.68%安の1ドル=5.648レアルとなった。

国内材料:ハダジ財務相の発言と経済指標

 ブラジル国内では、フェルナンド・ハダジ財務相が、財政刺激ではなく民間投資による持続的成長を目指す方針を強調。市場では、同相の発言を一定程度好感する声が聞かれた。
 また、中央銀行が発表した3月の経常収支は22億4500万ドルの赤字となり、過去12カ月間の赤字幅は国内総生産(GDP)比で3.21%に達した。加えて、財団ゼトゥリオ・ヴァルガス(FGV)の発表によると、4月の製造業信頼感指数は前月比0.4ポイント低下の98.0となり、製造業セクターの慎重な姿勢がうかがえた。

主要株動向:資源・エネルギー・小売株に明暗

 個別銘柄では、資源大手ヴァーレ(VALE3)が0.35%高となった一方、国営石油会社ペトロブラス(PETR4)は原油価格の下落を受けて0.39%安となった。独立系石油企業のPRIO(PRIO3)およびPetroReconcavo(RECV3)も、銀行による投資判断引き下げを受け、それぞれ3%超下落した。
 金融株では、イタウ・ウニバンコ(ITUB4)が1.07%上昇したのに対し、ブラデスコ(BBDC4)は0.22%下落するなど、動きはまちまちとなった。
 小売株では、ロハス・ヘンネル(LREN3)が3.32%高と堅調だった一方、マガジン・ルイザ(MGLU3)は1.43%下落した。
 航空会社アズール(AZUL4)は、ここ数日続いた大幅下落から一時は持ち直し、終値は前日比変わらずで引けた。
 電力大手エレトロブラス(ELET3)は、政府との和解案が株主総会で承認されたことを受けて0.30%高となった。
 なお、ブラジル市場では祝日を挟むため、今週も取引日数が通常より少なくなる。これが一部の投資家心理を下支えしている。

ドル安続く PTAX決定控えテクニカル要因も

 外国為替市場では、米中摩擦の影響に加え、月末に控えるブラジル中央銀行によるPTAX決定(取引最終レート算出)を前にしたテクニカルな売り圧力もあり、ドル売りが進行した。
 ドルは7営業日連続の下落となり、月間では4.11%の下落幅を記録している。4月単月では1.02%の下落となった。

 B3取引所では、直近限月のドル先物が0.67%安の5,653ポイントで推移している。

IR(所得税)非課税枠拡大案、下半期に審議へ

 一方、政治面では、連邦下院議長のウゴ・モッタ氏(共和党・パライバ州選出)が、月収5,000レアル以下の層への所得税非課税措置を盛り込んだ法案について、「2025年後半の審議開始が見込まれる」との見通しを示した。
 同氏によれば、現在の国会日程と休会期間を考慮すると、上半期中の採決は難しいとの見解を示した上で、「財政への影響を最小化する修正が必要」と述べ、財政責任を重視する姿勢を強調した。
 この法案はルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領によって2024年末に提出されたもので、成立すれば2026年から適用開始となる予定である。
 モッタ議長はまた、「国会は今後も経済的安定性を重視し、投資家に対する法的安定性を確保していく」と述べ、慎重かつバランスの取れた政策運営に意欲を示した。

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