関西万博開幕に向け兵庫PR=ワシントン州事務所の池上所長

山下会長、池上所長、植田さん(左から)

 兵庫県ワシントン州事務所の池上卓久所長が9~14日、4月の大阪・関西万博開幕に伴う県広報活動の一環としてブラジルを訪れた。池上所長は滞在期間中、姉妹都市提携を結ぶパラナ州やサンパウロ州の関係各所を訪問し、万博で県が参加する「関西パビリオン」の内容説明、県全域で取り組む「ひょうごフィールドパビリオン」事業、観光地紹介を行い、来県を呼び掛けた。
 池上所長は今回初来伯。広報活動で訪れたパラナ州では副知事と面会し、同州からの訪問団派遣を協議。今年が姉妹都市提携55周年の節目であることも踏まえ、派遣調整が進んでいるという。クリチバ市役所や同市日系団体、サンパウロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウス」なども訪問し、14日には、兵庫県ブラジル連絡員の植田クリスチアネさん、ブラジル兵庫県人会の山下義勝会長と共に編集部を訪れた。
 兵庫県は大阪・関西万博に、福井、三重、滋賀、京都、和歌山、鳥取、徳島と合同で「関西パビリオン」として出展する。兵庫県の展示テーマは「ミライバス―体験型のSDGs空間―」。県鳥のコウノトリを題材に子供たちが制作した作品を飾る「コウノトリの回廊」や、ステンドグラスアートで県の魅力を伝える「ステンドグラスの回廊」、兵庫をめぐるアトラクション型映像を体験できる大型シアター空間「ミライバス」を用意した。
 県鳥のコウノトリは、乱獲や農薬被害により1971年に一度、国内での絶滅が確認されている。兵庫県豊岡市では絶滅前からコウノトリの保護活動を行っており、国内絶滅後の1985年には旧ソ連ハバロフスクから幼鳥6羽を受贈し、人工飼育繁殖に成功。放鳥後の生息保護のため、県全体で自然環境保護の取り組みに力が入れられた。
 池上所長は「今回の万博では優れた産業製品を紹介するのではなく、21世紀の万博らしく、県が取り組んできた持続可能な社会実現のための事業をお伝えしたい。コウノトリはその象徴です」と語る。
 万博にあわせて実施されている「ひょうごフィールドパビリオン」は、県全域を展示パビリオンに見立て、持続可能社会の実現に貢献する260プログラムの事業紹介及び体験提供を行っている。
 万博会場から神戸市は車で約30分の距離。ブラジル移民と所縁の深い「神戸市立海外移住と文化の交流センター」もあることから、池上所長は「万博とあわせてぜひ兵庫県にお越しください」と呼び掛けた。

最新記事