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関税0%=専門家筋から批判続々=「対処療法に過ぎない」=知事は州税免除巡り反発

2025年3月11日

連邦政府の6日の記者会見(Cadu Gomes/VPR)
連邦政府の6日の記者会見(Cadu Gomes/VPR)

 【既報関連】6日に連邦政府が発表した9種の輸入食品に対する関税を0%にすることに関して、専門家や州知事らが「対処療法に過ぎない」と批判の声を上げている。8日付UOLサイト(1)などが報じている。

 輸入関税免除となるのはオリーブ油、トウモロコシ、ヒマワリ油、イワシ、クッキー、パスタ、コーヒー、肉類、砂糖の9品目で、パーム油の割当枠も6万5千トンから15万トンに引き上げる。
 また、これと同時に、「動物由来製品検査システム(Sisbi)に加盟する地方自治体を1500から3千に引き上げる」「サフラ計画の財政計画の重点を食品に置く」「基礎食料品セット(セスタ・バジカ)の商品流通サービス税(ICMS)を0%にするべく知事と交渉を行う」「国家配給公社(Conab)の供給強化による物価の安定」「これらの対策に関する広告増大」の五つの対策も同時に発表された。
 輸入関税ゼロ化は近日中に始まるが、サフラ計画へのインセンティブは次の収穫期が始まる6月の予定だ。終了までの期間は特に設けられていないという。
 この対策に関し、専門家たちからは疑問の声が相次いでいる。ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)経済部門主任のアンドレ・ブラス氏は、「輸入品価格が下がれば競争が増し、国内の生産者も値上げを躊躇するから、価格は上がりにくくなる」とはしながらも、ドル高の中では輸入品価格自体が高いため、関税をゼロにしても、「インフレのペースを落とす効果しかない」とした。
 インスペル大学のジュリアナ・インハス氏は、「輸入関税引き下げは、今後数期にわたる生産量減少、極端な場合には生産中止につながる可能性がある」と述べている。
 オウロ・プレット・インベスチメントスのアナリスト、シジネイ・リマ氏は「この戦略の適用性と市場への浸透性については明確さが欠けている」と語り、「連邦政府は国内の製品が継続的に保証されるのを支えるための厳格な政策を打ち出すべきだ」と語っている。
 グルッポ・ストゥジオのカルロス・ブラガ・モンテイロCEOは、「輸送コスト削減のための物流インフラへの投資、持続可能な農業生産へのインセンティブ、中小規模の生産者を対象とした融資政策も検討されるべき」との提言も行っている。
 また、セスタ・バジカの収税ICMS0%化をめぐっては、州知事たちから強い反発の声が上がっている。マット・グロッソ州のマウロ・メンデス知事は、「ICMSを0%にするためには利子が低い状態でなければならない」とし、非現実的との見解を示した。
 それに加え、ミナス・ジェライス州やリオ州、リオ・グランデ・ド・スル州、ゴイアス州などは州財政が苦しく、ICMSによる財源確保が不可欠だ。「連邦政府の失政の責任をなぜ負わされるのか」とミナス・ジェライス州のマテウス・シモンエス副知事は反論している。(2)
 その一方でタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事は9日、基本食品のICMS免除に関して「課題にしたい」と語り、米や大豆などを例に挙げ、前向きな姿勢を示している。(3)


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