外国人投資家=321億ドルの資本流出=パンデミック以降最大に

サンパウロ証券取引所(B3)によると、外国人投資家らは2024年、セクンダリーセグメント(既に上場している株式)の資金として321億ドルを引き出した。これは、同証券取引所からの資金流出としては2020年以降で最大の資本流出となったと6日付ヴァロール紙など(1)(2)が報じた。
3日に発表された数字によると、パンデミック初年の20年の資本流出額は397億ドル(ポデール360より、ヴァロール紙によると20年のセカンダリーセグメントの赤字額は401億ドル)だから状況は幾分ましといえるが、24年は1~6月と9~11月の9カ月間、資本流出が起き、近年では2019年の445億ドル、20年の397億ドル(数字はいずれもポデール360のもの)に次ぐ大量の外国資本流出となった。
具体的には、買いが3兆3551億ドルだったのに対し、売りが3兆3872億ドルで、321億ドルの出超となったもので、第3期ルーラ政権初年の2023年に生じた449億ドルの外国資本増という貯金が部分的に覆された。24年のセカンダリーセグメントの赤字額は375億ドルに達したという。
B3によると、セカンダリーセグメントにおける個人投資家による外国投資は308億ドルの黒字だったというが、外国投資全体では大幅な資本流出となり、赤字計上となった。
資本流出が最も多かったのは、ハダジ財相が基礎的財政収支の赤字額ゼロという財政均衡法に基づく財政目標達成は困難とし、赤字発生を容認する発言を行った4月の114億ドルだ。ただし、歳出削減のための緊急措置の発表と審議開始などを受けた12月は17億ドルの黒字となっている。
ヴァロール紙は、24年中の外国資本流出は、政府予想を下回る財政措置の提示やドナルド・トランプ次期米国大統領が強力な保護主義を導入すると思われていること、経済基本金利(Selic)の引き上げ再開などが主な要因としており、短期的には国内の証券取引所に外国人資本が大量に流入する可能性は低いという、スコシアバンクの証券部門責任者のミシェル・フランクフルト氏の言葉も引用。同氏は「ブラジルは外国人投資家の目には取り残されているようだ」とし、「公的会計の悪化や歳出削減策に対する投資家の失望などの国内問題により、世界の投資家が完全に遠ざかってしまった」とも語っている。