ブラジル沖縄県人会=先人に感謝捧げ、文化継承誓う=第28回先没者追悼慰霊法要

ブラジル沖縄県人会・ブラジル沖縄文化センター(高良律正会長)主催の第28回先没者追悼慰霊法要が、6月23日午前10時からサンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会本部会館で執り行われ、同県人会関係者ら約150人が参列した。
法要は、比嘉ジルマル実行委員長の開会の辞で開始。同実行委員長は1908年から始まったブラジル沖縄県人移民の歴史を振り返り、「我々はわずか1世紀で先人たちが遺した種の実を享受できるようになった。今日はそのことに感謝し、この1年に亡くなられた人々を偲び、祈りを捧げましょう」と促した。
引き続き、野村流音楽協会ブラジル支部及び野村流音楽保存会ブラジル支部の三線と、琉球筝曲興陽会ブラジル支部及び琉球筝曲保存会ブラジル支部の筝(こと)による献楽の儀、仲田ミズエさんと比嘉ナミエさんによる献花の儀、琉球ぶくぶく茶道ブラジル支部の銘苅(めいかる)エレナさんによる献茶の儀が同時並行で執り行われた。

高良会長は追悼の辞で、先人たちが苦難の中で「いちゃりばちょーでぃ(出会った人は皆兄弟)」「ゆいまーる(助け合い)」の精神で現在の発展を築き上げたことに感謝の意を表した。また、沖縄文化を今後も若い世代に引き継いでもらうことの重要性にも言及した。
その後、南米浄土宗別院日伯寺の山田ミルトン氏が導師を務め、読経の合間に高良会長をはじめ、参列者全員が焼香した。山田導師は法話で「慰霊碑」「先祖」「認識」「誇り」など漢字で書かれた紙を示しながら、先人とのつながりと法要の継続の大切さを強調していた。