相原ペドロ下議=「祖父はアマゾン初期移民」=JICA研修活かし防災で活躍

相原ペドロ連邦下議(31歳、3世、ミナス州選出)は、「私はアマゾン初期移民の孫であることに誇りを持っています。先祖はきっと天国で、私が国民を代表して連邦議会に来ていることを喜んでくれていることでしょう」と18日に連邦議会で行われた日本移民116周年記念式典で挨拶した。
本人に確認すると祖父名は「ハルオ・オヌマ」だというので、ほぼ間違いなく「大沼春雄」だろう。大沼氏は山形県出身、1929年12月11日着の「さんとす丸」、第2回アマゾン移民の単独青年10人の一人だ。
第1回移民も同年9月9日着なので3カ月しか変わらず、実質的に第1回移民とほぼ同じ開拓環境で入植した。大沼氏は戦後、1960年代にトメアスー文化農業振興協会の会長を務め、第二トメアスー建設準備委員会の委員長になるなど同移住地振興に貢献した一人だ。
相原下議は「父がロンドニアで鉱業に従事していた時、母と出会って、仕事の関係でミナス州へやってきた」という。ミナス州軍警消防隊に属し、2018年にJICA日系研修で2カ月間、山口大学に研修に行き、災害予防や災害対策などの専門課程を学び、「あれで人生が変わった」と述べた。
研修の成果が認められ、ミナス州消防局の広報官を務めていた2019年1月19日、ブルマジーニョ鉱滓ダム決壊事故が起きた。死者259人、行方不明者11人の大惨事となった。相原氏は広報官として、行方不明者の捜索状況などをマスコミに連日説明する中で、顔が知られるようになり、22年10月の選挙で当選して昨年から下議に就任した。
まさにJICA研修のおかげで、現在政界でも防災専門家として活躍している。相原氏は「南大河州大水害もしかり、今こそ防災の考え方をブラジルでも徹底しなければ」と語った。