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ネットがアマゾン先住民に悪影響=伝統への関心減退や性的行動変化も

 イーロン・マスク氏がCEO(最高経営責任者)を務めるスペースXが展開する衛星通信サービス「スターリンク」の導入により、アマゾン地域の先住民族に進歩をもたらす一方で、インターネット利用が彼らの伝統的な習慣を変えていると懸念されている。ワッツアップ(無料通話アプリ)やSNSの影響で、若者の文化的活動が減少し、ポルノ動画の影響で性的行動が変化しているとの報告もあると5日付テッキ・ムンド(1)が報じた。
 スターリンクの衛星通信を介したインターネットのおかげで、遠隔地やインフラが不十分な地域、従来の通信事業者からの信号が届かない場所でも接続できるようになった。だが同時に悪影響も出ている。2日付米国「ニューヨーク・タイムズ」紙は、最近運用が開始されたブラジルのアマゾン地域の先住民族、マルボ族にまつわる興味深いケースを報じた。
 アマゾナス州にある人口2千人ほどの先住民区域ヴァーレ・ド・ジャヴァリに住むマルボ族は、スターリンクの恩恵を受けている。近隣の緊急サービスとの通信、親族との会話、健康問題や環境問題についての警告を発することが可能となった。その一方で、ネット利用に熱中する若者の行動の変化に疑念を抱き始めている年配者も多いという。
 その変化に苦言を呈した一人、ツァイナマ・マルボ氏(73歳)によれば、ボディーペインティング、果物採集、貝殻を使ったアクセサリー制作などの伝統的な文化活動は、若者たちには以前ほど魅力的に映らなくなった。「若者はインターネットのせいで怠け者になった。彼らは白人のやり方を学んでいる。でも私たちのネットを取り上げないでください」とツァイナマさんは話した。
 インスタグラムやKwaiなどのSNSの利用、ワッツアップでのチャット利用は、これまで家族と過ごしていた時間を奪っている。これは世界中の社会状況と非常によく似ている。
 同部族のリーダーの一人、アルフレド・マルボ氏が指摘するもうひとつの問題はポルノ動画だ。少年は携帯電話でアダルトコンテンツを消費し、友人と共有している。以前には部族に存在しなかった光景だ。何人かの少年たちには「より攻撃的な性的行動」が見られ、彼らの社会化に悪影響を与えているのではないかと、大人たちは疑問視している。
 スターリンクは国家電気通信庁(Anatel)から認可を受け、2022年1月にブラジルで事業を開始し、数カ月でアマゾン地域に進出。あっという間に法定アマゾン地域の90%の自治体が同サービスの顧客となった。
 マルボ族の場合、アンテナは米活動家のアリソン・ルノー氏が寄贈したもので、彼女は自らアマゾン地域に資材を運んだ。彼女は同部族のリーダーの一人である、エノケ氏の支援を受けていた。
 「先住民は白人と同じようにインターネットにアクセスする権利を持っていないと考える批判者に対し、偏見と誤った情報に満ちた考えと闘うことが不可欠である。もし先住民の人々が望むのであれば、デジタルの世界に溶け込み、彼らのコミュニティと文化を強化するためにテクノロジーを利用する権利を持っている。この権利を尊重することは、平等と社会正義を促進することだ」と彼女は主張する。
 スターリンクはアマゾン地域の学校1万9千校に衛星通信を提供することを約束しており、ブラジル海軍の艦船向けのインターネット・プロバイダーとなることも決定している。
 ただし、スターリンクのアンテナは違法な木材伐採地や金採掘現場でも見つかっており、警察捜査に関する警告などの違法活動に利用されているとの懸念も上がっている。

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