プロボディビルダーが妻を撲殺=8本骨折で「自ら転んだ」とウソ

イゴール容疑者(左)と殺害された妻マルセラ・ルイーゼ・ブランドンさん(右)(21日付G1サイトの記事の一部)
イゴール容疑者(左)と殺害された妻マルセラ・ルイーゼ・ブランドンさん(右)(21日付G1サイトの記事の一部)

 ボディビルダーの夫から暴行を受けて昏睡状態に陥り、病院の集中治療室に入院していた妻が、10日後に死亡した。夫には暴力歴があり、妻は数年前から身体的傷害、脅迫、侮辱の被害を訴えていたと21日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
 ゴイアニア州アパレシーダ・デ・ゴイアニア市で10日、夫イゴール・ポルト・ガルボン容疑者(31歳)が妻マルセラ・ルイーゼ・ブランドンさん(31歳)を連れて病院に到着した。マルセラさんは全身に複数の傷を負っていたが、夫は医師らに「妻は自宅を掃除しているときに足を滑らせて転倒した」と説明していた。
 しかし医師らは、マルセラさんの怪我がイゴール容疑者の説明と一致しないことを不審に思い、女性支援専門警察署(Deam)に通報した。
 警察によると、マルセラさんは頭部に外傷を負い、8本の肋骨と鎖骨が骨折しており、全身に擦り傷がいくつもあった。10日間の昏睡の後、彼女は20日夜に死亡が確認された。現場検証を行った専門家の報告によると、夫婦の自宅には事故を正当化するような階段や坂などが存在せず、転落によるものではありえないという結論に至った。
 捜査を担当するDeamのブルーナ・コエーリョ警部によると、容疑者は既に、元恋人や現在の妻に対する複数の家庭内暴力で起訴されていた。2020年末に始まった連邦地方裁判所(TJDFT)の民事訴訟では、当時マルセラさんが、暴行の有無を判断するための法医学的検査を拒否したため、検察局は告発することができなかったという。侮辱と脅迫の罪に関しては、マルセラさんも告訴を追及しない意向を示していたため、事件は保留となっていた。
 公判前勾留は、妻が入院してから1週間後に請求され、イゴール容疑者は17日に逮捕された。容疑者の弁護側は公序良俗の保障といった公判前勾留の要件が存在しないとして、禁固刑を他の予防的措置に置き換えるよう求める意向だという。
 イゴール容疑者はボディビルダーのプロとして、競技会にも出場経験があった。また体育教師として小学校でも勤務していた。自身のSNSでは、栄養士でありフィットネスコーチであることもアピールし、1万2千人以上のフォロワーを集めていたが、19日に彼のアカウントは削除された。

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