マドンナ出演料は公費5億円超=VIP壁設置で市民怒り心頭

マドンナ(1日付スプラッシュの記事の一部)
マドンナ(1日付スプラッシュの記事の一部)

 【既報関連】いよいよ4日に、リオ市コパカバーナ海岸で40周年コンサートのフィナーレを控えている歌姫、マドンナ。この一回限りの公演の出演料は330万ドル(1700万レアル、5億552万円相当)にのぼると、オ・グローボ紙のアンセルモ・ゴイス氏のコラムが報じた。
 リオ市が負担するコンサート全体の費用は6千万レアル近くで、リオ市官報によれば国の後援額は1千万レアルだった。10月に地方選挙を控える中での人気取り的な大型公費支出だけに、後々波紋を呼ぶ可能性がありそうだ。1日付スプラッシュなど(1)(2)が報じている。
 現在65歳のマドンナは、米国で最も裕福なセレブリティ15人のうちの1人だ。フォーブス誌によると、彼女の資産は5億8千万米ドルと推定され、リオで終了する『ザ・セレブレーション』ツアー終了後には少なくとも1億米ドル増加すると予想されている。(3)
 滞在先の老舗高級ホテル「コパカバーナ・パレス」では、ペントハウスと呼ばれる約100平方メートルのメインスイート(1泊料金は8226レアル〜)を占拠し、ホテル内にある高級アジア料理レストラン「Mee」でも夕食を取る姿が目撃されている。ミシュラン一つ星の同レストランは、豊富な日本酒のメニューでも知られており、720MLで5290レアル(約16万円)で提供される、超特選白鶴「天空」などの稀少な品が揃っている。(4)
 アルベルト・モリサワ・シェフによる「おまかせ」は枝豆、天ぷら、握り寿司、刺身などが含まれ、価格は16品で560レアル(約1万7千円)、19品で665レアル(約2万円)だ。脂がのっているクロマグロを使ったコースも人気が高い。
 リオの公的機関はこの週末「マドンナ作戦」で連携する。公共の安全を確保するために総勢3200人の警官が配置され、64台の車両と65基の監視塔を活用する。会場には30台の救急車と80人の隊員、550台の仮設トイレが備えられる。ジェンチレザ複合輸送ターミナルからコパカバーナへ向かう特別運行線も設けられる。この「作戦」は6日まで続けられる。
 コンサートを直前にして、マドンナのファンも沸き立っている一方、ステージ前のVIPエリアと客席を隔てる金属製の「壁」に批判が殺到している。コンサート自体は無料だが、ステージ前方に7500人の特別ゲストのためのスペースが確保される。
 ある男性はSNSを通して「これが何だか分かるかい? 隔離だ! 市は、市民にマドンナではなく、この壁を見せるために1千万レアル以上を支払った。一般市民への配慮を見てほしい。ここに来る意味はないよ」と設置された高さ2mの壁を指さして訴えた。
 これがネット上で話題になった後、エドゥアルド・パエス・リオ市長は、「壁は公演日には撤去される」とSNSに書き込んだ。

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