【19日の市況】Ibovespaは125,124ポイントに0.75%上昇とほぼ1,000ポイント高=週足では0.65%下落で3週連続のマイナス=ドルは0.96%下落して5.19レアルに

 心配、警戒、悲観論に基づく数日間の取引きの後、ようやく良い金曜日になった。Ibovespaは125,124ポイントに0.75%上昇し、ほぼ1,000ポイント上げた。ブラジル株式市場の主要株価指数は、プラスで週を終えるには力不足で、週足で0.65%下落を計上し、3週連続のマイナスとなった。ドルは0.96%下落し、5.19レアルまで下げた。一方、銀行間預金金利(DI)は軒並み低下した。
 ブラジルのムード改善は、中東を中心とした外部環境の改善によるところが大きい。「中東情勢の緊迫化と、FRBが引き続き米金利に慎重であるべきとの見方の両方から、ドルは慎重な環境にあり、牽引力を増した」とStoneXのトレーディング・デスク、マルシオ・リアウバ・マネジャーは述べた。しかし、イランの攻撃に対するイスラエルの反応は一時的なもので、リスク資産への影響は限定的だった。テヘランは報復の計画がないことを示し、世界はひとまず落ち着きを取り戻した。B&Tの北・北東部外国為替部門責任者、ディエゴ・コスタ氏は「今回の攻撃は、影響は限定的で、さらなる報復の兆候もない、メッセージ的なものだったようだ」と語った。
 ニューヨークの株価指数はまちまちで、投資家はエヌビディアの10%以上の大幅下落に唖然とし、FRBの金融政策の方向性を懸念している。これは、フェルナンド・ハダジ財相も注目していることだ。「(米国のインフレ・データで)3月の恐怖がもたらされたとき、予想が大きく覆され、世界中のマクロ経済変数がどのように動くかに関するムードが大きく変わった」。そして、「FRBに対する期待の逆転があったことを、我々は理解する必要がある」と語った。
 同じ〝船〟にのっているのが国際石油である。イスラエルの目測通りの対応の後、このコモディティは上昇を始めたが、イランが満足したため後退し、再び上昇した。その繰り返しである。国連安全保障理事会では、アントニオ・グテーレス事務総長が中東は「ナイフの刃の上にある」と各国大使に語り、イタリアではG7外相が地政学的脅威について議論している。シティグループのグローバル・チーフ・エコノミストで元米財務省のネイサン・シーツ氏は、ブルームバーグ・テレビにこう語った。「地政学的な課題の問題点は、何が起こりうるかというテールリスク(確率は低いが、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク)について考えなければならないことだ。そうなると、原油に関する懸念から、経済に関するより広範な懸念へと移っていく」。

ペトロブラス、ヴァーレ、ペッツでIbovespaが上昇

 原油価格の上昇に伴い、ペトロブラス(PETR4)株の上昇ももちろん期待されたが、実際には、同社が政府任命者を中心に構成される取締役会の決定によって保留されていた特別配当の100%を分配できるようになったという情報により、社内の風からもたらされた。プレスによると、政府の立場が変わったのは、石油会社の2024年第1四半期の業績が好調で、キャッシュフローが支払いに対応できるようになったからだという。結局、PETR4は1.71%上昇した。
 一方、ヴァーレ(VALE3)は、朝方は変動があったものの、午後になると上昇に転じ、鉄鉱石の好調な週明けを反映して1.64%高で引けた。
 しかし、今日の話題は間違いなくペッツ(PETZ3)だった。ペッツはコバシとの合併を発表し、37.14%の上昇で取引を終えた。アナリストは、「この合併は、競争がますます激しくなっている今、ペット分野で支配的なプレーヤーを生み出し、競争圧力を緩和し、価格設定をより合理的にする可能性がある」と見ている。
 政治情勢は緊迫している。アルトゥール・リラ下院議長(PP-AL)がパディーリャ制度関係大臣(PT)を公然と攻撃するなど、行政府と立法府の間で新たな戦線が展開されている中、政府は警戒態勢に切り替え、連邦議会での一連の「爆弾議題」を鎮火させようと攻勢を準備している。財政状況もこれに左右されるため、市場はこの戦いを注視している。
 また来週の金曜日(26日)には、アメリカのPCE(個人消費支出、FRBのお気に入り)の数字と、特別配当のソープオペラを決定するペトロブラスの会合がある。

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