ポルシェが猛スピードで追突=運転手逃亡、被追突車一人死亡

ポルシェ(右)に追突されたルノー(左)は後部が大破した(1日付UOLサイトの記事の一部)
ポルシェ(右)に追突されたルノー(左)は後部が大破した(1日付UOLサイトの記事の一部)

 サンパウロ市東部タトゥアペ地区で3月31日未明、ポルシェ車が前方を走る車に猛スピードで追突、その車の運転手を死亡させたまま逃亡する事件が発生した。ポルシェの運転手はフェルナンド・サストレ・デ・アンドラーデ・フィーリョ容疑者(25歳)と特定されたが、事故直後に容疑者の母親が、「負傷した息子を病院に連れて行く」と告げたまま行方をくらましたと3月31日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
 事故の目撃者によると、ポルシェは時速50キロ制限のサリン・ファラ・マルフ大通りを猛スピードで走行し、目撃者の車を追い越した後、コントロールを失ってその前方を走行していたオルナルド・ダ・シルヴァ・ヴィアナさん(52歳)の一般的国産車ルノーに衝突した。
 フェルナンド容疑者が乗車していた2023年製の青色ポルシェ「911カレラGTS」は、100万レアル(約3千万円)以上の価値がある。エスタード紙によると、容疑者の家族は四つの会社を経営しており、不動産市場や建設資材市場に参入する実業家だと報じている。
 オルナルドさんは救急隊員により手当てを受けたが、心停止で死亡が確認された。彼は配車アプリ業に従事していたが、事故当時乗客はいなかった。ルノー車の後部は折れ畳まれて車長が3分の2程度に縮み、衝撃を物語っている。
 ポルシェの助手席にいた22歳の青年も負傷し、同地区の私立病院で今現在も治療を受けているというが、健康状態については明らかになっていない。
 警察によると、フェルナンド容疑者の母親が現場に現れ、「口内の軽傷」を治療するため息子を南地区イビラプエラのサンルイス病院に連れて行くと主張し、警察はフェルナンド容疑者を釈放した。
 その後、警察が事情聴取と飲酒運転の検査のために同院を訪れたところ、親子の姿はなく、診察に訪れた形跡もなかったという。さらに警察は、フェルナンド容疑者と母親、彼らの弁護士に電話で連絡を取ろうとしたが応答がなく、逃走したとみている。警察は容疑者の自宅も捜査したが容疑者は不明のままで、容疑者の弁明も見つかっていない。
 SSPによると、容疑者は「自動車運転中の過失による殺人罪と傷害罪、さらに事故現場から逃走した罪」の容疑で捜査されている。
 サンパウロ州保安局(SSP)は声明で、交通事故の場合、被害者の救出を確実にし、事故現場を保全することが最優先事項であるとコメントした。しかし今件には警察側に何らかの落ち度があった可能性があるとみて、詳細が分析される予定だ。

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