ビル外壁清掃員のロープ切断=殺人未遂で最上階住人逮捕

事件が起こったクリチバ市のマンション(26日付G1サイトの記事の一部)
事件が起こったクリチバ市のマンション(26日付G1サイトの記事の一部)

 パラナ州クリチバ市アグア・ベルデ地区で14日、マンション外壁を清掃していた作業員を支えていた安全ロープを、最上階住人がナイフで切断し殺人未遂で逮捕された。被害者の男性は地上18メートルの6階部分を清掃中だったが、安全装置により落下を防ぐことができた。容疑者は薬物依存症を理由に釈放を求めたが裁判所は拒否。証人によると容疑者はロープを切る前に「作業員全員のロープを切る」と脅していたという。26日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
 マンションの27階に住むラウル・フェレイラ・ペレグリン容疑者(41歳)は殺人未遂で現行犯逮捕され、その後拘留された。警察は容疑者のバルコニーで犯行に使われたナイフと切断されたロープの一部を発見した。
 取り調べ中、容疑者は黙秘を続け、「なぜ警察署に連れて来られたのかわからない」と主張した。犯行動機はまだ不明だという。警察の調書は、被害者が身を守ることが困難な状況であった点、被害者が気づかないうちに犯行を行うという陰湿な手段を用いた点を重要視している。
 ペレグリン容疑者の弁護側は、容疑者が麻薬中毒者であることを理由に釈放を求める人身保護請求を提出した。同要請書には、少なくとも4年間、薬物中毒の問題に直面しており、治療施設に連れて行く必要があると記載されていたが、裁判所はこれを拒否した。
 警察の調べによると、その日はマンションが雇った会社の従業員5人が建物の外壁を清掃していた。屋上にいた現場監督は、ペレグリン容疑者が「イライラする。10分で消えてくれ。じゃないと作業員全員のロープを切る」と言われたという。危険を感じた彼は、全員に1階に降りるよう指示を出したという。
 「被告の状況は、違法薬物の使用の疑いがあること、加えて治療を拒否したこと、一人暮らしをしていることなどから、公共の秩序に対する危険性をさらに浮き彫りにしている。同事件のような状況が今後も繰り返されるか、それ以上に悪化する可能性がある」と裁判官は警鐘を鳴らした。

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