妊婦の罠にハマった老人=情けが仇に、現金強奪され撲殺

殺されたジェズースさん(26日付R7サイトの記事一部)
殺されたジェズースさん(26日付R7サイトの記事一部)

 サンパウロ州内陸部フランカ市で、老人が妊娠中の犯罪者によって仕組まれた罠にはめられ、自宅内で殺害された。ジェズースさん(72歳)が自宅前にいたところ、気分が悪いという妊婦に助けを求められ、救助しようと家に招き入れ水を飲ませていると、女の共犯者らが家に押し入って金銭を盗んだ上にジェズースさんを殴り殺した。さらに、被害者が性的暴行を受けた可能性があると、26日レコルジTV(R7)ニュース番組シダーデ・アレルタ(1)が報じた。
 ジェズースさんは自宅の敷地内で食料品店を10年以上営んでおり、地域住民から慕われていた。彼の妹アパレシーダさんは、R7の取材に対して悲痛な胸の内を明かした。
 「兄が受けた残酷な仕打ちを想像すると涙が止まらない。私たちの面倒をよく見てくれ、誰からも愛されていた。兄の顔はとても傷ついていた」と涙ながらに証言した。被害者は拷問され、死に至るまで殴られ、性的暴行を受けた疑いがあるとされている。
 アパレシーダさんは、「家のテーブルには飲み物のグラスがいくつかあったけど、兄はお酒を飲まないし、タバコも吸わない」と語り、犯人たちはしばらくの間その場にとどまり、被害者を拷問しつづけた疑いがあるとみている。
 容疑者らは被害者が自宅保管していた現金約4万レアル(約121万円)を奪って逃走した。警察はこの事件を強盗殺人として捜査し、3人の容疑者を見つけた。ルーカス・デ・アラウージョ・リマ容疑者とルイス・エンリケ・ロドリゲス容疑者の2人は逮捕されたが、容疑者の1人の妻とされる女は妊娠中のため釈放された。
 アパレシーダさんは「彼女が兄の家の前で立ち止まって『妊娠していて水を飲みたい』と頼んだから、2人が中に入ることができた」とその女が犯罪に重要な役割を果たしたと考えている。
 被害者の自宅前に設置された防犯カメラは、犯行後に3人の容疑者が角に立って談笑する様子や、自転車で4人目の賊が到着して盗んだお金を山分けする瞬間を捉えていた。
 ジェズースさんは食料品店で得た収入を自宅にタンス預金しており、これまで何度も強盗に遭っていた。被害者の葬儀の前にも、食料品店は再び強盗に侵入されたのだという。
 アパレシーダさんは「警察の現場検証が終わり、私たちは店を閉め切って鍵をかけたのに、泥棒は強力な鉄格子を破って中に入った。あろうことか、犯人らは中で飲食をしていて、目玉焼きを作って食べた形跡があった。その後すべてを持ち去り何も残っていない」とも。
 被害者家族は2人の容疑者が引き続き投獄され、女も犯罪に対する責任を負うことを強く望んでいるという。

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