site.title

マリエレ殺害事件=命令者はブラゾン下議か=捜査混迷経て司法取引で=6年越しの謎に光当たる

2024年3月22日

シキーニョ氏(Camara Dos Deputados)
シキーニョ氏(Camara Dos Deputados)

 【既報関連】2018年3月に起こったマリエレ・フランコ・リオ市議(当時)殺害事件の実行犯ロニー・レッサ容疑者が司法取引での供述で、殺害を命じた人物として、予てから名前が挙がっていたドミンゴス・ブラゾン氏の実兄シキーニョ・ブラゾン下議(ウニオン)の名を挙げていたことが明らかになった。20日付UOLサイト(1)(2)が報じている。
 マリエレ氏と同氏の運転手だったアンデルソン・ゴメス氏が殺害された事件は殺害命令犯が判明しないまま、14日で丸6年が経過した。だが同日に管轄が最高裁に移管したことで、ミリシア(民兵)だったレッサ容疑者への殺害依頼者が特別職権(フォロ)のある人物(連邦議員など)であることがわかっていた。19日にはリカルド・レヴァンドウスキー法相が記者会見で、最高裁がレッサ容疑者の司法取引を正式に承認したことも発表した。
 そして20日、同容疑者が殺害命令を出した人物としてシキーニョ氏の名を挙げていたことが一斉に報じられた。これは、リオ州選出下議たちが正式に明らかにしたものだ。
 それがシキーニョ氏であることはあらかじめ予想されていた。マリエレ氏殺害の際に、レッサ容疑者の運転手を務めていたために2019年3月に共犯逮捕されたエウシオ・デ・ケイロス容疑者が、司法取引の中で殺害を命じた人物としてシキーニョ氏の実弟ドミンゴス・ブラゾン氏の名前を出していたと報じられていたためだ。ドミンゴス氏はリオ州会計検査局(TCRJ)の評議員であるため、この時点で裁判の管轄は3審担当の高等裁(STJ)に移管されていた。
 ドミンゴス氏がマリエレ氏殺害の捜査線上に上がったことはこれが初めてではない。2019年にはラケル・ドッジ連邦検察庁長官(当時)が、ドミンゴス氏がマリエレ事件の捜査を妨害した嫌疑でTCRJの停職処分も求めていた。この要請は、ケイロス容疑者の司法取引での証言に基づいて行われたものだった。
 また、ドミンゴス氏は予てから、レッサ容疑者らが属していたミリシア集団「エスクリトリオ・デ・クリーメ」との関係が取り沙汰されており、リオ州議員だった時代にマリエレ氏の政界の恩師のマルセロ・フレイショ州議(当時)から議会調査委員会(CPI)でミリシアとの関係を指摘されたことがあった。
 一方、カルタ・カピタル(3)(4)によると、2017年から市議を務めていたマリエレ氏は、リオ西部のミリシアの支配地で住宅の違反建築が相次いたことの調査を求め、ブラゾン兄弟が強い影響力を持っていたジャカレパグアーを調べようとしたという。この経緯は今回のレッサ容疑者の証言でも語られているという。
 事件当時、シキーニョ氏はリオ市議で、マリエレ氏と任期が15カ月ほど重なっている。シキーニョ氏はマリエレ氏とは交遊関係があったと話しており、「私たちの仲はいつも友好なものだった」と語っている。
 だが、メトロポレス(5)によると、シキーニョ氏も黒い関係が予てから噂されており、議員事務所訪問者には殺人罪で告発されたミリシアや犯罪集団コマンド・ヴェルメーリョのリーダーの夫人が含まれているという。


Selic=0・5PPの切り下げ続く=高い中銀総裁への信頼感前の記事 Selic=0・5PPの切り下げ続く=高い中銀総裁への信頼感サンパウロ市=名物フェス、ロラパルーザ開催=11年目、今年から主催者変更次の記事サンパウロ市=名物フェス、ロラパルーザ開催=11年目、今年から主催者変更
Loading...