ブラジル人の幸福度は高いか低いか=81%が「幸せ」の回答も

(Foto: Catalin Pop/unsplash)
(Foto: Catalin Pop/unsplash)

 毎年3月20日の国際幸福デーにちなんで発表される「世界幸福度報告書」最新版が公表され、ブラジルは143カ国中44位になり、昨年の49位から五つ順位を上げたと20日付G1サイト(1)が報じている。その一方、市場調査会社イプソスによる別の世界幸福度調査(30カ国)では5位だった。高いのか低いのか、調査によって異なる結果となった。
 世界143カ国の10万人以上を対象にアンケートが行われた調査では、1位になったフィンランド人の幸福度が高い理由として、自然との距離の近さ、仕事とプライベートとのバランスの良さ、無料の医療と教育へのアクセスなどが強調された。北欧諸国が上位を占め、フィンランドの後に、デンマーク、アイスランド、スウェーデンが続いた。
 一方最下位の143位は、2020年のタリバン政権復帰後に人道的な大惨事の影響を受けたアフガニスタンだった。
 10年以上ぶりに、米国とドイツが上位20カ国の圏外に転落。代わりに、コスタリカとクウェートがそれぞれ12位と13位に。日本は51位だった。世界で最も人口の多い国々はいずれも20位以内に入っていない。
 別の調査結果としては、国際的な社会研究を担う市場調査会社のイプソスが「Global Happiness(世界幸福度調査)」の最新版を18日に発表。全大陸から30カ国の幸福度を測る総合ランキングで、ブラジルはオランダ、メキシコ、インドネシア、インドに次いで5位に入った。(2)
 この調査は2023年12月22〜24年1月5日に全世界で総計2万4269人に対してネットで行われ、うち1千人のブラジル人が対象となった。総合的評価ではブラジル人の81%が「とても幸せ/どちらかといえば幸せ」と回答し、調査対象国の平均71%を上回った。
 ただし同調査では「家族と友人」「幸福度」「経済と政治」「学校、仕事、生活の質」四つの側面について、より具体的な質問を30項目行った結果、その多くでブラジル人は世界平均よりもやや低い傾向が見られ、うち11項目ではランキングのほぼ最下位となる結果だった。
 中でも治安について30カ国のうち最も不満を感じているのはブラジル人であり、満足と答えたのはわずか53%だった。
 ブラジルがランキングの下位5カ国に位置している項目は以下の通りだ。子どもとの関係(27位、78%が満足)、友人(27位、69%)、パートナーや配偶者(27位、78%)、愛情を受け取る感覚(27位、68%)、運動(26位、55%)、発言や行動の自由(27位、62%)、情報へのアクセス(28位、64%)、外見(27位、62%)、自然とのふれあい(26位、72%)、職場の同僚(27位、68%)。
 政治と経済の問題は大半の国で最大の不満につながる問題だ。これについてもブラジル人は平均以下。国の政治的・社会的状況に満足しているのは40%で、経済状態は34%しか満足していない。生活環境に関してはブラジル人の63%が満足と回答し、平均の72%に及ばなかった。

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