故郷復興に6500レ寄付=石川県人会慈善コンサート開催

会場の様子。「花は咲く」演奏時には観客も立ち上がり、被災地へ思いを馳せた

 ブラジル石川県人会は2日、能登半島地震の被災地復興を支援するチャリティーコンサートを、サンパウロ市の同県人会会館で開催した。約130人の観客が訪れ、演奏を通じて被災地へ思いを馳せた。集まった約6500レアルの寄付金は4月に石川県に送られる予定だ。
 チャリティーコンサートはブラジル人音楽家のマルコ・ポンテス・カイショテさんが発案し、その友人で石川県人会水彩画教室に通うサクソフォン奏者の本郷園子さんが開催協力を各所に呼びかけて実現した。本郷さんは「家族を亡くし、辛い思いをする人たちを何かの形で手伝えたら」との想いでチャリティーコンサートを開催したという。本郷さんの呼びかけにより、合計10人の演奏家が集った。
 コンサートでは「ふるさと」や「あかとんぼ」「上を向いて歩こう」などの日本の曲の伯国風アレンジや、「イパネマの娘」や「Mas que nada」などの有名ブラジル曲が披露された。締めくくりには東日本大震災復興支援曲「花は咲く」が演奏された。
 来場した寺本千加さん(52歳、茨城県)は東日本大震災の支援ボランティアに参加した経験を持つ。能登半島地震が発生した今年1月1日は日本に一時帰国している最中で、滞在先の東京でその被害を知った。「能登半島地震の報せを受けた時は東日本大震災の被災地のことが思い出され、悲しい気持ちになりました。今回のコンサートは悲しい気持ちや出来事を、音楽の力で明るくしてくれました。ぜひ日本の人たちにも、ブラジルからの気持ちが届いてほしいです」と話した。

演奏の様子、手前に本郷さん

 石川県人会の武部清美エリーナ会長は「ブラジルからの応援の気持ちが日本に届けば」と石川県の復興を願う気持ちを述べた。

最新記事