グローボTV局に政府広告の3分の1=予算急増、左派媒体に高比重

Secomのパウロ・ピメンタ局長(13日付フォーリャ紙サイトの記事の一部)
Secomのパウロ・ピメンタ局長(13日付フォーリャ紙サイトの記事の一部)

 グローボTV局の看板ニュース番組「ジョルナル・ナシオナル(JN)」は、第3期ルーラ政権の初年度2023年に最多政府広告を獲得して2400万レアルの新記録を達成した。同局の日曜夜の冠報道番組「ファンタスチコ」も1170万レアルの広告費を獲得し、2位につけたと13日付フォーリャ紙など(1)(2)が報じている。
 ボルソナロ前大統領(自由党・PL)の時代にこの番組は同ランキングで3位。当時の広告予算の最大シェアはレコルジ局の「ジョルナル・ダ・レコルジ」だった。
 この情報は、社会コミュニケーション局(Secom)のサイトに掲載されており、同局や各省庁がキャンペーンで実施した広告が記録されている。ただし、ここには公的銀行やペトロブラスのような国有企業からの広告は含まれていないので、政府絡みのものはさらに多い。
 JNは前大統領の攻撃リストに含まれており、2020年、ボルソナロ氏は「JNは終わった」と発言し、グローボを「葬式テレビ局」と呼んでいた。
 昨年7月のフォーリャ紙は、数十年にわたり伯国の視聴者数をリードしてきたグローボ・グループが、ルーラ政権下の政府広告で再び頭角を現したことを報じた。同局への連邦広告は、ボルソナロ政権の数年間はレコルジ局やSBT局よりも少なかった。
 グローボ・グループのテレビ、ラジオ、ネットは昨年少なくとも1億1800万レアル相当の広告を受け取った。この金額は、Secomのポータルサイトに掲載された広告費3億5800万レアルの約3分の1に相当する。
 政府からの資金の大半はSecomに流れ、次いで保健省(1億5110万レアル)、その他の省庁が続いた。今年最大のキャンペーンである「新政権100日キャンペーン」には少なくとも4330万レアルの広告費がかかった
 Secomのパウロ・ピメンタ局長(PT)は、テレビが連邦広告の約45%、インターネットが15%、ラジオが12%を受け取ると推定。また、屋外広告や新聞など他のメディアでも広告が行われている。
 政府広告費はルーラ政権下で急増し、2023年の約8億1500万レアルから、今年は約14億5千万レアルになった。Secomによると、連邦政府は前政権時代に外されていたメディアにも広告出稿しており、これにはフォーリャ、オ・グローボ、エスタード等の新聞も含まれる。
 加えてブラジル247、ポルタル・フォルン、ジアリオ・ド・セントロ・ド・ムンドなどのルーラ政権に同調する左派サイトでも広告を出すようになった。これらのメディアはテメル政権(民主運動・MDB)やボルソナロ政権からは広告出稿を受けていなかった。
 ルーラ大統領は2018年にラヴァ・ジャット作戦で逮捕された当時、PT政権に対する同疑惑の報道について「ジョルナル・ナシオナルやグローボのすべてのニュース番組では、ペトロブラスとこの国の汚職は、我々(PT)によって実行されたものだと何時間も報道された」と不満を述べていた。

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