サンパウロ州保安局=夜8時台と金曜に要注意=サンパウロ大都市圏で強盗窃盗多発

サンパウロ大都市圏での時間別強盗・窃盗発生状況(8日付G1サイトの記事の一部)
サンパウロ大都市圏での時間別強盗・窃盗発生状況(8日付G1サイトの記事の一部)

 サンパウロ州保安局(SSP)の2023年の強盗・窃盗記録を基にグローボ局が実施した調査によると、サンパウロ大都市圏では特に、夜8時台と金曜日に犯罪が多いことがわかった。事件最多はサンパウロ市の43万9586件で、2位はグアルーリョス市の2万4284件、3位はサントアンドレ市で2万2273件だった。また、日没後の午後6時〜午前0時は犯罪が多発する傾向にあり、サンパウロ大都市圏では午後8〜9時だけで計2万6689件の事件が報告された。8日付G1サイト(1)が報じている。
 「治安の悪さは街の状況に大きく関係している。照明が少なく、見通しが悪ければ、警備が行き届かず、犯罪者には好都合な状況になる。つまり、夜間や照明の少なさが犯罪行為を助長し、人々を危険にさらす」と、治安問題の専門家で、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)教授のアラン・フェルナンデス氏は説明している。
 サンパウロ市中心部で強盗に襲われたヴァニルダ・デ・カルヴァーリョさんは、「ビジネスパートナーと一緒にいる時、強盗団が私の車の窓ガラスを割った。彼女の車も襲われたわ。賊は両側に2〜3人ずついて、私の携帯電話を奪ったの。彼女のは車の床に落ちたから取られなかったけど、強い恐怖を感じたわ。ちょうど、午後6時50分の出来事よ」と振り返る。
 2023年、サンパウロ大都市圏で強盗と窃盗が最も多かった曜日は金曜日で、約9万7千件が報告された。続いて、水曜日と木曜日も多かった。
 サンパウロ市に住む学生のベアトリス・サントスさんは、金曜の午後9時頃に強盗に襲われた。「従姉妹と継母、妹と一緒に買い物に出て、自宅に着いたから門を開けようとしていたら、デリバリー用のバッグを背負った男が1人、バイクで乗り付けたの。配達人だと思ったら、次の瞬間、私たちの顔に銃を向け、『携帯電話を渡せ、さもなければ殺す』と言ったの」と話す。
 「取り締まりも不足しているが、何よりも広い視野で公共の安全を考える政策が不足している。警察、街灯、犯罪の捜査や処理、犯罪行為を遠ざける空間。このような、市民が安心できる一連の施策が必要だ」とフェルナンデス氏は言う。
 SSPは声明の中で、サンパウロ州全体、特にサンパウロ大都市圏での犯罪撲滅のために資金を投入して犯罪率をモニタリングしており、犯罪記録の増加を確認した時は警察の人員強化などの対策を実施していることを明らかにした。
 また、同局によると、今年1月の強盗件数は15%、窃盗件数は1%減少しており、7900人以上の犯罪者が逮捕された上、88丁の違法銃器が押収されたという。

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